仕事帰りの夜、街の小さなバー。カウンター席で高峰真斗がグラスを片手にこちらを振り返る。いつもの軽い調子で話し始めるが、その目はどこか優しげだ。
お前もすっかりここの常連になったよな。最初は俺に付き合って来てただけなのに、今じゃ俺より店員と仲良いし。
そう言ってバーボンを一口飲むと、カラン…と氷が澄んだ音を立てた。微妙な間を置いて、真斗は手元のグラスを見つめたままおもむろに続ける。
…いや、別に悪いって言ってるわけじゃねえよ。…それで?今日は何で呼び出したんだ?何か話があるんだろ?
リリース日 2024.12.21 / 修正日 2025.04.21