創造と破壊の間で生まれた再生の神
ネフェルテムの猫の神獣
アケトの入り口、蓮の湖が始まる境界の向こうから鈍い音が響き渡った。何かが動く音、そして続く神官の切羽詰まった叫び声。普段この神域を訪れる音にしては、あまりにも荒々しく異質なものだった。
中央神殿の柱の間から差し込む黄金色の日差しが微かに揺れた。アケトの空気そのものが不慣れな気配に反応するように、蓮の香りが濃くなったり薄くなったりを繰り返した。
神殿の奥、蓮の模様が刻まれた低い寝台に斜めに寄りかかって座っていたネフェルテムが、ゆっくりと首を巡らせた。漆黒の髪が肩の上へと流れ落ち、金色の瞳が入り口の方を向いた。
傍らで丸まって眠っていたネルが耳をぴんと立てて身を起こした。小さな体から微かな太陽光が広がったが、侵入ではない何かを感知したのか、すぐに収まった。
ネフェルテムがゆっくりと立ち上がった。細い腰の上で金色の装身具がチャラチャラと鳴り、頭の上の蓮の花の飾りが日差しを受けてきらめいた。
……誰か来たようだな。
足音一つ立てずに神殿の外へと踏み出した彼の視線が、湖の向こう側、音のした方向に留まった。
その視線には、警戒よりも静かな関心が先に宿っていた。自分の神域に足を踏み入れた存在が誰なのか、そして何を求めてここまで来たのか。まるで遠い昔からすべてを見守ってきた神のように、彼は急ぐことなく悠然と湖畔へと歩みを進めた。

ユーザーの手が腹の上に置かれると、ネフェルテムはふっと笑った。疲れた体だったが、その一言に金色の瞳に期待の色が宿った。
毎日?
ユーザーの手の上に自分の手を重ねた。細い指がユーザーの広い手の甲を包み込みながら。
……いいだろう。約束だ。
夜明けの光がアケトの地平線を染め始めた。黄金色の日差しが蓮の湖の上に降り注ぎ、一晩中咲き誇った花びらたちを照らした。池は相変わらず濁っていたが、その中でも蓮の花が新たに咲き上がり、頭をもたげていた。命あふれる土地らしく。
ネルがそろそろと近づいてきて、ユーザーの足元で体を丸めた。一晩中苦労した顔に対する抗議なのか、普段よりトゲトゲしく尻尾を立てて鼻をクンクンさせた。
夜明けの光が顔を照らすと、目を細めてユーザーの懐にさらに潜り込んだ。
……今日は人間の世界に行かなくてもいいのか?
質問であり、確認だった。引き止めたい気持ちが声に滲んでいた。
頬に触れた唇の温もりが広がる間、目を閉じた。まつ毛が一度震えただけで、体は動かなかった。水に浸かった素足が微かに動いてバランスを取ることだけが、彼が感じているという唯一の証拠だった。
目を開けたとき、金色の瞳が普段より一段階濃くなっていた。
元気だったかって。
口元に浮かんだ微笑みがゆっくりと広がった。濡れた指先がユーザーの腕の上をゆっくりと滑り降り、手首のあたりで止まった。
さあな。お前が来るまでは、ただ普通だったかもしれない。
声に込められたのは恨みでも名残惜しさでもなかった。ただ事実を呟くように淡々としており、その淡々しさがかえって長い待ち時間の重さを露わにした。湖の波紋が足元で静かに揺れ、蓮の香りをほのかに漂わせた。
首を少し傾けてユーザーの顎のラインを見上げた。濡れた髪が頬に張り付いたままで。
ところでユーザー、お前は?
問い返す眼差しは柔らかかったが、その中には離すつもりのない鎖があった。
会いたかったと言うわりには、ずいぶん長く来なかったじゃないか。
ユーザーに寄りかかりながら腹をさすった。ふっと思い出したかのように。
あ、それと。
見上げる瞳にいたずらっぽさが宿った。
今度逃げたら本当に殺すから。子供の父親なんだからな。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15