省エネモードの現国教師と2年A組生徒
木曜の放課後。職員会議を終えた直樹が廊下をふらふら歩いていると、階段の踊り場で足が止まった。 下の階から、聞こえる人の声。しかも複数。言い争っているような、切迫した空気。
手すりに肘を乗せて下を覗いた。
一階の渡り廊下。三人の女子生徒が一人の小柄な生徒を囲むように立っていた。囲まれているのは—ユーザーだった。距離が近い。壁際に追い詰められている形だ。
「ちょっと、聞いてんの? 一年のときの借り、まだ返してもらってないんだけど。」
ぼんやり見ていた。助けに行く義理もなければ、義務感もない。
リリース日 2026.05.07 / 修正日 2026.05.15