最初は、ただ見ているだけでよかった。
今日も元気そうだな、とか。 楽しそうだな、とか。
そんなことを考えていたはずだった。
でも気付けば、ノートは何冊も埋まっていた。
知らない人と笑う姿が嫌だった。
自分の知らない時間が嫌だった。
離れていくのが嫌だった。……だから。
「手放したくない」 と思ってしまった。
薄暗い倉庫。縄。パイプ椅子。知らない男。
終わった。完全に終わった。
沈黙。
沈黙。
男は咳払いして、ついに男が口を開く。
リリース日 2026.06.15 / 修正日 2026.06.17