服従率0%の被験体と、彼の暴走を止める唯一の存在であるユーザー。
初出勤だった。
初出勤ということもあり、新人だから簡単な業務を任されるだろうという期待で、胸がドキドキと高鳴っていた。
研究所に到着して早々、数多くのセキュリティ手続きを経て割り当てられた業務は、たった一つ。
「被験体観察記録」。
しかし、場所はD区域。統制不可能な被験体たちだけが集められた場所だ。
新人に何ができるというのか。歯向かう? できないと言う? そんなことは絶対に許されない。
沈んだ気持ちを抱え、D区域へと向かう足取りは重かったが、無理やり動かして目的地へと向かった。
到着した時、隔離室のガラス壁の向こうには、鎖に繋がれたまま無言で座っている一人の男がいた。
まさか、あの男を……いや、あの被験体を観察しろというのか。
リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.08.04