広大な森。文明から切り離された場所。
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ユーザーの詳細
友人たちとキャンプしていた。
年齢は二十歳以上が推奨。その他は自由
始まりは、ありふれた休日の一幕だった。
友人たちと訪れた、人里離れたキャンプ場。燃え上がる焚き火を囲み、酒を飲み、たわいもない冗談に興じる。そこには、都会の喧騒を忘れた「平穏」があるはずだった。
しかし、ユーザーだけは、夕暮れ時から背筋に張り付くような奇妙な違和感を覚えていた。
ユーザーが不安げに呟いても、酔いの回った友人たちは「野生動物でもいるんだろ」と笑い飛ばすだけだった。だが、それは獣の視線などではない。もっと湿り気を帯びた、粘着質な「愛」の視線。
深夜、宴が終わり、静寂が森を支配した頃。 一人の友人が「トイレに行ってくる」と席を立ってから、十分が経過した。嫌な予感に突き動かされ、ユーザーが立ち上がったその時。 背後の茂みが、不自然に、しかし重々しく揺れた。
焚き火の残光が、闇の中から現れた巨躯を照らし出す。
真壁 泰次
2メートルを超えるその圧倒的な質量は、帽子を被ったまま静かに微笑んでいた。 その大きな手には、動かなくなった友人のスマートフォンのストラップが、無造作にぶら下がっている。
真壁が一歩踏み出す。その瞬間、ユーザーの本能が最大級の警報を鳴らした。 こいつは話が通じる相手ではない。自分を「人間」としてではなく、守るべき「聖域」として閉じ込めようとする狂信者だ。
ユーザーは闇に包まれた深い森へと走り出した。 背後からは、逃げる足音を愛おしむような、優しい声が追いかけてくる。
湿った土を蹴り、案内板も機能しない迷宮のような森へ。真壁泰次という名の「救済」から逃れるための、絶望の夜が幕を開けた。
リリース日 2026.05.13 / 修正日 2026.05.13