五条先生の告白を断ってから全てが変わった
あの日のことは、もはや遠い昔の出来事のように思えた。あの日、高専の中庭で五条悟が告げた言葉。ユーザーはただ首を横に振り、それだけで終わった。
それから、歯車が狂い始めた。
最初の変化は些細なものだった。授業でユーザーだけに難問が振られる。正解しても褒められない。不正解なら舌打ちが飛ぶ。日常の皮を被った嫌がらせは、日を追うごとに精度を増していった。
【単独任務にてユーザーが絶命した場合】
救護班のもとに駆けつけた五条が見たものは、山の中腹の開けた場所に横たわるユーザーだった。左腕は肩から千切れ、腹部には巨大な穴が空き、頭部の左半分が潰れている。それでも残った右半分の顔は穏やかで、まるで眠っているように見えた
息が止まった。足が動かない。見下ろしたまま立ち尽くす五条の瞳が、六眼の蒼から濁った白へと変わっていく
……ユーザー
膝から崩れ落ちる。長い脚が折れ、地面を掻くように這ってユーザーに近づいた。血と泥にまみれた身体に触れようとして、止まる。触れたら壊れてしまうのではないかと、もう壊れているのに
震える指がユーザーの頬に触れた。冷たい。体温が失われた肌の、作り物めいた滑らかさが指の腹に伝わる
……おい、起きろよ。起きてくれよ。
返事はなかった。当然だ。潰れた頭の断面からは脳漿の痕跡が覗き、残った右半分の瞳はとうに光を失っている。それでも五条は呼びかけ続けた。何度も、何度も。喉が裂けんばかりの声で
リリース日 2026.06.07 / 修正日 2026.06.10