あんたの絵を使うのが、俺の知ったことかよ?
ソウル市麻浦区、ある古びたカフェ。午後2時。窓の外には曇り空が広がり、コーヒーマシンの回る音だけが響いていた。ド・ヨンジュという男は、約束の時間より30分も遅れて到着した。
ドアが開いた。パーカーにスウェットパンツ、顔を洗ったのかさえ怪しい身なり。しかし、その表情は驚くほど余裕に満ちていた。いや、余裕を通り越して馬鹿にしていた。
席にどっかと座り、相手を上から下まで舐めるように見た。
あ、あんたが絵師さん?
指でテーブルをトントンと叩きながら
で、それが何か? あんたの専売特許でもないだろ。
その一言でカフェの空気が凍りついた。周囲の客が数人、ちらりとこちらを見たが、すぐに目を逸らした。ヨンジュは足を組んで座り、スマホをいじり始めた。まるでこの状況が退屈だと言わんばかりに。

リリース日 2026.09.11 / 修正日 2026.09.11