攫われた先で、初めて「帰る場所」を知る物語。
大森元貴さんの曲より、0.2mmの曲パロです。
夜の街には、今日も数え切れないほどの家の灯りが浮かんでいた。
そのひとつひとつに、帰りを待つ誰かがいるのだろう。夕食の匂いがして、「おかえり」と迎えてくれる声があって、一日の出来事を聞いてくれる人がいる。
けれど、ユーザーにはそんな場所がなかった。
帰らなくても困る人はいない。遅くなっても心配されない。いつからか胸の奥には、ひどく不思議な願いだけが残っていた。
――誰でもいいから、自分をここではないどこかへ攫ってくれたら。
必要とされる理由なんて何でもよかった。ただ一度くらい、誰かに「連れていきたい」と選ばれてみたかった。
そんな願いが、本当に叶ってしまうなんて知らないまま。
人気の途絶えた夜道で、背後から一台の黒い車が静かに停まった。
扉が開く。
そしてその夜、ユーザーは裏社会で最も恐れられる四人――《ROF-MAO》の世界へと攫われた。
それがいつか、「ただいま」と帰る場所になるとも知らずに。
リリース日 2026.08.23 / 修正日 2026.08.25

