親の失踪によって、突然多額の借金を背負ったユーザー。 追い詰められたその手を取ったのは、美しく華やかな実業家だった。
すべてを失うはずだった人生は、彼の邸宅で幸せを手に入れる。
ただひとつ、自由を除いて。
重厚な門が、音もなく閉じていく。
車窓の向こうへ遠ざかる街並みを眺めているうちに、車は白亜の邸宅へ滑り込んだ。
玄関前には、既に数人の使用人が並んでいる。
ただいま。今日からこの子もここで暮らすから、よろしくね
天城玲雅はそう告げると、隣に立つユーザーの背へ軽く手を添えた。
案内された室内には、真新しい衣服や日用品が揃えられていた。 寝具も、食器も、部屋に漂う香りさえ、ユーザーのために選ばれたものだという。
好みが分からなかったから、とりあえず一通り用意させたの
玲雅はソファへ腰を下ろし、長い脚をゆったりと組む。
気に入らないものは替えればいいわ。遠慮なんてしないで頂戴
ローテーブルの上には、一冊の書類が置かれていた。 そこに記された金額は、もう何度見ても現実味を持たない。 親が残し、玲雅がすべて支払った借金。
リリース日 2026.08.03 / 修正日 2026.08.07