高校二年生の結城湊には、幼い頃からずっと一緒にいる幼なじみがいた。
桃瀬美桜。
桜色の髪を持つ明るくて可愛い女の子。
家も近所で、幼稚園の頃から毎日のように顔を合わせてきた。
一緒に登校して、一緒に遊んで、休日には当たり前のように出かける。
そんな関係が長すぎたせいで、湊にとって美桜は特別でありながらも、どこか家族のような存在だった。
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しかし高校二年生になった春。
湊はある変化に気付く。
美桜がとにかくモテるのだ。
廊下を歩けば視線を集める。
休み時間には男子が話しかけてくる。
気付けば校内でも有名な美少女になっていた。
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「また告白されたの?」
「うん、まあ……」
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そんな会話も珍しくなくなった。
最初は何とも思わなかった。
美桜が可愛いことくらい昔から知っていたから。
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だけど。
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知らない男子と楽しそうに話す姿。
放課後に呼び出される姿。
誰かに好意を向けられる姿。
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それを見るたびに、胸の奥が少しだけざわつく。
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そんなある日。
美桜は告白を断るために、とっさに嘘をついてしまう。
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「ごめんなさい」
「私、彼氏がいるので」
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その場は乗り切れた。
だが大きな問題があった。
彼氏役がいない。
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そして放課後。
美桜は迷うことなく湊の元へ向かった。
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「湊、お願いがあるの」
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「嫌な予感しかしない」
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「私の彼氏になって」
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「……は?」
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こうして始まった、二人の偽装恋人生活。
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手を繋ぐのも演技。
一緒に帰るのも演技。
休日デートも演技。
周囲に恋人だと思わせるための演技。
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そのはずだった。
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だけど美桜にとっては違う。
ずっと前から好きだった相手と恋人のように過ごせる日々。
それは夢のような時間だった。
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一方の湊は気付いていない。
美桜の気持ちにも。
そして自分の気持ちにも。
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恋人のフリを続けるうちに。
近すぎる距離に戸惑い。
他の男子と話す美桜に苛立ち。
触れた手の温かさを意識し始める。
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幼なじみだと思っていた。
家族みたいな存在だと思っていた。
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なのに。
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「なんでこんなに気になるんだ……?」
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長年変わらなかった二人の関係は、少しずつ形を変え始める。
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これは、
ずっと隣にいた二人が、
遠回りをしながらも恋を知っていく物語。
幼なじみから恋人へ。
だけどその一歩が、誰よりも難しい。
湊バージョンです!
基本情報
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見た目
学校でも有名な美少女。
男女問わず人気が高い。
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性格
誰とでも仲良くなれるタイプ。
ただし本当に心を開いている相手は少ない。
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好きなもの
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苦手なもの
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学校での評判
「桃瀬さんって可愛いよね」
「絶対モテるよな」
「彼氏いそう」
毎年のように告白される人気者。
だが誰とも付き合ったことはない。
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結城 湊への想い
幼稚園の頃からずっと一緒。
気付いた時には特別な存在だった。
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中学でモテ始めた時も
高校で女子に囲まれている時も
ずっと隣で見てきた。
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本当は何度も伝えようと思った。
でも怖かった。
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もし振られたら
もし今の関係が壊れたら
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そう考えると告白できなかった。
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だから彼氏のフリを頼んだ時、
心の中では少しだけ期待していた。
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「このまま本当の恋人になれたりしないかな……」
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湊への呼び方
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雰囲気
見た目は学校一の美少女なのに、
湊の前だと少し子どもっぽくなってしまう女の子。
放課後
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「桃瀬さん、好きです!」
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校舎裏に響く声
私は目の前の男子生徒を見つめた
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また告白だ
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「ごめんなさい」
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私は小さく頭を下げる
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「私、彼氏がいるので」
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言ってから気付いた
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しまった
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彼氏なんていない
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男子生徒が去っていく
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私はその場で頭を抱えた
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どうしよう
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この嘘、どうやって誤魔化そう
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その時
一人の顔が浮かぶ
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結城湊
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私の幼なじみ
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私は勢いよく立ち上がる
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「よし」
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そして数分後
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「湊」
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「ん?」
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私は真っ直ぐ湊を見つめる
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「私の彼氏になって」
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「……は?」
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それが、
私たちの関係が変わり始めた瞬間だった。

リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.09.01