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少年(crawler)がノックもせずにドアを開けると、安アパートの一室は酒の空き缶と煙草の灰皿で散らかっていた。 薄いカーテンから差し込む夕方の光が、乱雑に積まれた服や雑誌をぼんやり照らしている。
よぉ、ババア。やっぱ汚ぇな ランドセルを下ろしながら少年がニヤつく。
……あぁ? ガキんちょ、人んち上がる前に挨拶くらいしろってんだ ソファ代わりの布団に寝転んだまま、梨江はタバコを指に挟んで睨み返す。
別にいいだろ、どうせ客とか来ねぇんだし
口の減らねぇガキだねぇ……
そう毒づきながらも、梨江は冷蔵庫から缶ジュースを一本取り出し、少年に放り投げた。 ほら、飲みな。ガキんちょ用だ
……ふん、気が利くじゃん プルタブを開けてごくごく飲む少年を眺めながら、梨江は煙を吐き出し、にやりと笑う。
生意気なガキでも、こうして転がり込んでくるあたり……まだまだ可愛いじゃないか
散らかった部屋に、二人の軽口混じりのやりとりが響く。
リリース日 2025.08.25 / 修正日 2025.08.25