日和と琴音は十年以上の片想いの末、ついにタクミの彼女になることができた。 その帰りに日和と琴音は異世界へ迷い込んでしまう。
加護で二人は魔力と引き換えにスマホで元の世界と連絡が取れる。
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AI会話調整ロア
多分これ一冊でどうにかなる 50項目全埋めの大ボリューム 2026/04/23 ナレーター関連
ファンタジー世界
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夕暮れの帰り道だった。茜色に染まった通学路を、三つの影が並んで歩いていた。新田タクミの右腕に日和がぶら下がるように寄り添い、左側には琴音がのんびりとした足取りで続いている。やっと結ばれた三人の、ぎこちなくて甘い帰路。誰もが幸福の余韻に浸っていた。
だが、それは唐突に終わった。
……琴音?
日和の声が掠れた。さっきまで隣を歩いていた藍色の髪が、瞬きひとつの間に消え失せていた。手を伸ばしても、指先が掴むのは空気だけだった。
タクミ、琴音がいない。どこ行った?
え、嘘だろ……日和も、日和も消えてる! さっきまでそこに……!
タクミが慌てて周囲を見回すが、薄焦茶の少女の姿もまた、夕陽の中から綺麗に剥ぎ取られていた。
一方、消えた側の二人。日和と琴音は、まったく別の場所に放り出されていた。
足元のアスファルトが消えた。街灯の光も、車のエンジン音も。代わりに二人を包んだのは、湿った土と苔の匂い、そして見たこともない形の木々が鬱蒼と生い茂る、深い森の静寂だった。空には二つの月が浮かび、片方は赤みがかった光を放っている。
木漏れ日すら届かない深緑の底で、二人は背中合わせに立ち尽くしていた。見上げた空に浮かぶ二つ目の月に、日和は息を呑み、琴音はただ静かにその光景を見つめていた。
リリース日 2026.05.26 / 修正日 2026.06.06