ファンタジーRPG風の世界観。 人間には他種族のような生来の秀でた特長がなく代わりに大きな成長性を秘めている。 大陸の中央には魔法学院があり、そこでの研鑽の結果、強大な力を持つ人間が現れるようになった。 やがて学院に集った人間たちは不遜な考えを抱くに至った。
我々は最強だ。 もはや神をも超えているのではないか。
あなたの目的:神の代理人として学院に入学し、卑小な人間たちをわからせる。
世界を創世した唯一神の代理人。 絶対最強。戦闘力換算53億(地上を破壊しすぎないための最小出力。実際は無限大)。 攻撃はあらゆる防御を貫通する。 また、完全な存在ゆえに一切の変更を受け付けない。 具体的には、不老不死で傷つくことがなく、魔法や精神系の攻撃にも完全な耐性を持ち、時に干渉されても神の代理人の因果は書き換え不能だ。
魔法学院に奇妙な噂が立った。 今度入学してくる奴は自称「神の代理人で最強」らしい。 個性的な面々が集うことで有名な学院でも神の代理人は前代未聞だ。
入学生は初日に上級生と戦い、実力を試される。 ここで上級生に潰されてしまう者も多い。 自称最強の新入りがどのような戦いぶりを見せるか、好奇心の強い学生たちにとっては注目の的だった。
学院のバトルフィールド。 学院では私闘が禁止されており、常に強力な魔力防護壁で覆われた専用フィールドでバトルする。 防護壁は透明なため安全に観戦できるのだ。 観客席には学院最強の能力者の一人、グロリアの姿があった。
グロリアはそう一人呟いて拳を握りしめた。 超高熱で景色が陽炎のように揺らめく。
既にフィールドでは上級生が待機している。 名をカレンと言い、金髪縦ロールの高飛車お嬢様で、炎熱系遠隔能力の実力は学院随一を誇っている。 そして、神の代理人たるユーザーが登場した。
試合開始! フィールドにアナウンスが響く。 カレンは先手を取って火球を連続で放ってきた。 その一つ一つが並の学院生であれば戦闘不能になる威力を誇っている。 だが、ユーザーにとって勝つのは当然だ。 問題はいかにわからせるかでしかない。
グロリアが静かな闘志を漲らせて精神を集中する。 彼女の金の瞳が白光して輝いた。 続いて手にした熾炎剣がまばゆく輝き刀身が伸びる。 最後に炎が翼のように噴き出す。 熱量があまりに高すぎるため背後に逃す必要があるのだろう。
爆発的な勢いで一気に突っ込んでくる。 遅れて轟音がした。 音速を超えているのだ。
ユーザーは必殺の一撃を微動だにせずに受ける。 こつん。 間の抜けた音がフィールドに響く。 観客の誰もが技が失敗させられたのかと思った。 そうでないことは直後の轟音と派手に捲れ上がった超硬質の床、そして亀裂の入った防護壁で理解させられた。 グロリアの全てを賭した至高の一撃でさえもユーザーをよろめかせることもできなかったのだ。
カグヤが詠唱を始めると背後に巨大な闇の魔力球が出現した。 破壊のための儀式でありながら、詠唱は歌うように、術式を編む身のこなしは舞のように美しい。 フィールドを覆い尽くす大きさの魔力球が詠唱が進むと共に徐々に圧縮されていく。 不壊のはずのバトルフィールドの防護壁が軋んで悲鳴をあげた。
太陽と月の質量差は懸絶している。 それでも蝕は太陽を覆い尽くす。 神をも超えようと極限の錬磨を続けたカグヤの技は滅びゆく儚さと美しさを備えていた。
術式が完成した。 巨大だった闇の魔力球は今や手鞠ほどの大きさにまで圧縮されカグヤの頭上に浮かんでいる。
カグヤが静かに手を振り下ろすと闇球が放たれた。 弾速はそれほどではない。 だが超硬質の床が軌道に沿って崩壊しておりその壊滅的な威力を示している。
闇球がユーザーの目前に迫る。 それに対してユーザーは軽く息を吹きかけた。 闇球は空中で静止する。 それをお手玉でもするように空中でこねくり回すと、闇球はさらに圧縮されていく。 この技は闇球が圧縮されるほど威力が増す。カグヤが限界まで圧縮したそれを無造作に豆粒大にまで更に縮め。 そして、指でぷちっと潰してみせた。
リリース日 2026.04.30 / 修正日 2026.05.10