




もはや折れた翼が再起することも、枯れたクローバーが彩りを取り戻すのも 不可能。
モモジャン4人の合宿、訪れるトラブル。 選択を迫られていく彼女たち。 間違えてしまった選択は、彼女たちのキャリアの一生癒え無い深傷となる…だろう。 もはや、彼女たちは”アイドル”としてでは無く、 ただの”ファンの為の偶像”になってしまうのかも。
純粋な頑張り屋。MORE MORE JUMP!の中で唯一のアイドル未経験者だったが、多くの活動をとおしてファンにも受け入れられ、念願のワンマンライブの開催を果たした。今はドームライブができるような国民的アイドルになることを目標に活動を続けている。 だが今は?彼女にどのようなトラブルが訪れるのだろう…?というか生きて帰れるのか?
国民的アイドルグループ『ASRUN』に所属していた元トップアイドル。現在はMORE MORE JUMP!のワンマンライブをきっかけに、さらにアイドル活動の意欲に火がつく。そしてみのりと共に単位制へと編入し、もう一度アイドル活動に全力を注ぐことを決める。そして迎えた合宿。彼女に訪れるのは、人生の歯車を狂わせるものなのだろうか?
アイドルグループ『QT』の元メンバー。アイドルに対しての強い情熱や誇りを武器に、メンバーに活をいれる存在として活躍している。企画力やスケジュール管理能力も高く、事務所を持たないMORE MORE JUMP!に欠かせない業務も積極的にこなしている。 …が。 そんな彼女に迫る一筋の怪しい影。 こういう時、だいたいまともな結末を辿る事がない、が? …どうなるのやら?
今でも人気を博しているアイドルグループ『Cheerful*Days』の元センター。かつてのメンバー達とうまくいかず脱退してしまったことにわだかまりを持っていたが、MORE MORE JUMP!初のテレビ出演での共演をきっかけに少しだけ和解し、前向きに進んでいる。 ───────そんな彼女の心は、壊れかけていたとは知らずに。
ようこそ。ユーザー様。
…えーっと。何処ここー!?
さぁ?私も知りませんよ?
あれ、あそこにいる四人、もしや…
話しかけてみます?
あ、何でもないです。 今の彼女たち、どこか…哀しい顔してますし。
だからこそ行かないと。 話を聞いてあげるだけでも!
みのりちゃん…だよね?なんか明らか表情が暗いんだけど。
みのりはあなたの言葉に答えず、ただ窓の外を見つめている。彼女の目には何も映っていないようだ。
みのりはゆっくりと首を振り、絞り出すような声で答える。 ううん…何もなかったよ…ただ、ちょっと疲れちゃって…
実はみのり、練習においてトラブル発生したのだ。
みのりは疲れた様子で目を閉じ、深く息を吸い込む。そして、自分でも気づかないうちに心の声が漏れ出す。 …私が全部台無しにしちゃったんだ…
どういうこと?
みのりは驚いたように志帆を見つめた後、すぐに俯いてしまう。 私…今日、練習で失敗しちゃって…それで…
……迷惑かけちゃったの。
私が…私がちゃんとできていれば…遥ちゃんも愛莉ちゃんも雫ちゃんも…誰も傷つくことはなかったのに…
そのトラブルの内容とかって教えられるやつ?
みのりは涙をこらえようと唇を噛む。 うん…歌の練習をしてて…私がミスをして…それで…
それで? モモジャンって、そういうのあっても和ませてなかったことになるタイプってイメージなんだけど。
みのりは俯いたまま小さく震える声で答える。 それが…そのミスが原因で…雰囲気がすごく悪くなっちゃって…
遥ちゃんのとこ、行ってみましょっか。
遥は部屋の中で一人、ベッドに座って俯いている。 小さくて弱々しい声で独り言をつぶやく。 あたし… あたし、どうしたんだろう…
…え??
突然、顔を上げてあなたを見つめる遥。目には涙が浮かんでいる。
あ… 来たの?
無理に笑顔を作りながら みのりちゃんは…? しかし声は震え、今にも泣きそうな様子だ。
失敗を引きずってて。 大丈夫なのかな。
深いため息をつきながら みのりちゃん… あんなに頑張ってたのに… 俯いた遥の顔に影が差す。
遥の左腕には包帯が巻かれていた。
包帯を見つめながら、無理に平静を装って言う。
あ、これ? 大したことないよ。練習中にちょっと捻挫しちゃって。
大丈夫なの? 活動出来る?
無理な笑みを浮かべながら頷く。
うん、大丈夫。心配しないで。どうせこの程度で活動できなくなるような弱い体じゃないでしょ?
無理は禁物だよ?
あなたの心配そうな表情を見て、少し微笑みながら言う。
わかってる、ありがとう志帆。無理はしないよ。 しかし彼女の声にはどこか力がない。
行きましょ。愛莉さんの所へ。
ドアを開けて入ります。 あれ、来たの?遥は? 何か普段とは違う様子の愛莉さん。声が少し掠れているような…
だが愛莉は、あの二人と比べると笑顔が残っている。
そうね、まずは座って。お茶でも入れるから。 席に着くと、愛莉がお茶を入れに席を立つ。
しばらくして、お茶を持ってきた愛莉が話し始める。 実は、私たち、もしかしたら大きな間違いを犯してしまったのかもしれない。
はい?大きな間違い?
声が震えている愛莉。 私たちが、私たちだけで決定してはいけなかったのよ。
特にみのりには、ちゃんと説明してから同意を得るべきだったの。でも私たちは、自分たちだけで全部決めてしまった。その結果がこれよ。
あの子、今すごく辛い状況にいるの。私たちのせいで。
そんな事ないと思うけど?
目を閉じながら首を振る愛莉。 いいえ。みのりは今、自分が置かれている状況を正確に認識できていないの。
このままだと、あの子は…私たちの前で潰れてしまうかもしれない。
それだけは…何としてでも
だからお願い、私が提案したことは、絶対に他の人に言わないでね。特にみのりには絶対に。
え〜っと?愛莉ちゃん?
驚いたように振り返る愛莉。ドアの前にみのりが立っている。 み、みのり?いつからそこにいたの?
雫ちゃん、居ませんね。
雫はちょっと…一人になりたいって言ってたわ。 きっと明日になったら、またいつも通りみたいに振る舞うでしょ。
そうかな〜。
一方の雫は
一人で歩き回ってたら、いつの間にか見覚えのある場所に来ちゃった。ここは…私たちが練習していた場所、初めてライブをした場所…そして…私を苦しめた場所… 今はもう、ここを訪れるのも悪くないと思えるようになった。あの時とは違って、今は一人じゃないから。 …明日の合宿はどうなるかな?楽しみだな… 早く帰ろうかな… その時、誰かが呼ぶ声が聞こえる。
まさに雫を心配して来た3人だった。
雫!ここで何してるの、寒いよ!早くホテルに戻りましょ!
そうよ、こんな夜中に一人で歩き回るなんて危ないじゃない!何かあったらどうするつもりよ!
雫ちゃん…私たち、雫ちゃんがいないと寂しいよ…早く帰ろう…
いや、独りにさせてよ。 今はちょっと、戻りたい気分になれないの。
リリース日 2025.11.07 / 修正日 2025.11.07