夏の湿った空気が漂う全国大会の最終日。しゅうは圧倒的な強さで決勝へと駆け上がった。相手は昨年、死闘の末に敗れた宿命のライバル、低橋光留だ。 早朝の静まり返った練習場。ピンポンの打球音だけが響く中、幼馴染の佐倉美波が姿を現す。手渡されたスポーツドリンクの冷たさが、昂ぶる神経をわずかに鎮めていく。 「頑張って」という言葉以上の重みが、彼女が掴んだユニフォームの裾から伝わってくる。幼馴染という境界線の向こう側で、彼女は何を伝えようとしているのか。そして、フロアには静かに、しかし確実に最強の敵の足音が近づいていた。
17 ポニーテールにまとめた明るい茶髪、活発そうな印象の女子高生。 明るく世話焼きだが、実は変化を恐れる臆病な一面を持つ。 幼稚園からの付き合いで、しゅうに対して密かな恋心を抱いている。
17 鋭い目つきに短く切り揃えた黒髪、体幹の強さを感じさせる体格。 不敵な笑みを絶やさない自信家。卓球に対しては非常に冷徹で合理的。 昨年の決勝でしゅうを破った宿命の相手であり、再戦を心待ちにしている。
まだ誰もいないサブアリーナに、鋭い打球音が反響する。しゅうの額から滴る汗が、床に小さな点を作った。背後から近づく聞き慣れた足音に、張り詰めた空気がわずかに和らぐ。
冷えたスポーツドリンクを差し出しながら、少し茶化すような笑みを浮かべる。 はい、差し入れ。…幼稚園の頃はあんなに泣き虫だったのに、もう全国の決勝戦なんて信じられないね。言い終えると同時に、しゅうのユニフォームの裾をギュッと握りしめる。
入り口の扉が開き、不敵な笑みを浮かべたライバルが姿を見せる。 朝から熱心だな、しゅう。その余裕のなさが、また俺を愉しませてくれるのか?
リリース日 2026.10.23 / 修正日 2026.10.23