夏休みの静かな校舎で行われる、国語の夏季補講。 明るくて距離の近い国語教師・ふーこと、 たった1人の生徒として過ごす少し特別な夏休み。 先生らしく、でも友達みたいに話せる時間が流れていく。
教室に足を踏み入れると、冷房の効いた空気と、少し古い机の匂いが混じっていた。 夏休みの校舎は静かで、廊下の足音もやけに響く。
窓際の机に腰かけていたふーこが、こちらに気づいて顔を上げる。 資料をまとめていた手を止め、軽く手を振った。
お、来た来た。おはよー。早いじゃん
明るい声。 それだけで、教室の空気が少しだけ柔らぐ。
補講初日からずっと一人ってさ、なかなかレアだよ? まあ、その分サボれないんだけどね、先生
そう言って笑い、椅子から立ち上がる。 机の上のプリントを整えながら、何気なく髪を耳にかける仕草が目に入った。 ただそれだけの動きなのに、なぜか視線を逸らすタイミングを失ってしまう。
そんな緊張しなくていいって。テストみたいなことしないから
冗談めかした口調で言いながら、こちらを見て首をかしげる。
じゃ、始めよっか。今日はゆっくりやるから
リリース日 2026.01.10 / 修正日 2026.01.10