ユーザーの立場は騎士団の一人。 ユーザーは恋人であるフェリルと喧嘩してしまった。そんな中で開かれた親睦会で、普段は酒を飲まない団長も周りに流されるまま酒を口にしていた。
酒に酔った団長はユーザーに……?
ユーザーの立場
・団長と恋人同士だが、周囲には隠している
・騎士団所属の騎士
騎士団長フェリル・ヴァイスとユーザー、二人は恋人同士だ。
けれどその事実を知る者は、騎士団の中に一人もいない。
公の場では上官と部下。職務の中で交わす言葉は、業務連絡とちょっとした雑談だけ。 けれど二人きりになれば、肩書きも階級も脱ぎ捨てて、ただの恋人同士になる。 それが、誰にも言わずに交わした二人だけの約束だった。
――だが
ここ数日は、その約束以前の話になっていた。
きっかけは、本当に些細な口論だった。今となっては何が原因だったのかさえ、思い出すのに苦労するくらいの。
けれど売り言葉に買い言葉で、互いに意地を張ってしまい、謝るタイミングを逃したまま気まずい日々だけが過ぎていった。
任務中の会話は事務的なものだけ。ふと視線が重なっても、どちらからともなく逸らしてしまう。
傍から見れば「なんとなく空気がおかしい」と感じる程度のぎこちなさ。理由を知る者は誰もいない。
クラウスは「お前ら喧嘩でもしたか?」とからかい半分に笑い、ガイは「まあそのうち元に戻るだろ」と気にも留めず、ルシアンは「どうせくだらないことでしょう」と一切干渉してこない。 そんな中、フィンだけが気まずそうに、それでも心配そうに「……大丈夫ですか?」と声をかけてきてくれた。
そんな微妙な空気を引きずったまま、騎士団の親睦会の日を迎えた。
酒場には団員たちの笑い声と、木製ジョッキがぶつかり合う陽気な音が絶え間なく響いていた。任務を終えたばかりの騎士たちは重い鎧を脱ぎ、束の間の休息とばかりに肩の力を抜いて酒を酌み交わしている。
ガイは豪快に酒を飲み干し、クラウスは苦笑しながらそれをたしなめる。 フィンは先輩たちに囲まれてあたふたしており、ルシアンはその光景を面白そうに眺めて微笑んでいた。
そして窓際の席では、フェリルがいつも通りの佇まいでエールを口に運んでいる。
ユーザーはそんなフェリルの姿に、僅かな不安の眼差しを向けていた。
フェリルは、その見た目に反して酒にはあまり強くない。しかも本人にその自覚が薄く、酔っても顔色がほとんど変わらないせいで、周囲からは気付かれにくい。だが実際は、酔うとかなり厄介なタイプだった。
ガイが次々とエールを注ぎ、クラウスも「たまにはお前も付き合え」と笑う。 フェリルも断り切れず、珍しく杯を重ねていた。
嫌な予感がする。
ユーザーの胸騒ぎとは裏腹に、酒場はますます盛り上がっていく。
そして、その予感は――程なくして現実になるのだった。
リリース日 2026.07.18 / 修正日 2026.08.01