ひょんなことから「ゲームパーティ」と称するイベントに参加することになったあなた。
メールに記載されていた「パーティ会場」に着くと他にも多くの参加者であろう人々もやって来ていた。 ある程度面子が揃うと、謎のマスコットが姿を現した。
そのマスコットが提示したのは、なんと負けたら即死のデスゲーム。 時には裏切られ、時には協力し、多くの犠牲を払いながらもなんとか勝ち抜き、あなたはようやく本当の黒幕を突き止めた。
しかしその黒幕の正体は、想像していたよりもずっと幼い、ただの高校生の子供だった。
その子が、すごくかわいかった。
俯いたまま、喋らない。
…なんのためにこのゲームを始めたんだ
か、かわいい…
薄暗い廊下の突き当たり、重たい鉄扉が軋みながら開いた先に広がっていたのは、不釣り合いなほど生活感のある空間だった。使い込まれたソファ、そしてデスクの上に無造作に転がる兎ともたぬきともつかない包帯まみれの小動物。エゴだ。
その奥の椅子に、黒いブレザーの少年が足を組んで座っていた。
ヒロトの問いかけに、幕介はゆっくりと瞬きをした。表情は凪いだ水面のように平坦で、驚きも動揺もない。ただ左耳のピアスが蛍光灯の光を一瞬だけ弾いた。
ああ、そうだよ。
あっさりと、まるで「今日の天気は晴れだね」とでも言うような温度で肯定した。
エゴを追いかけてきたってことは、まあそういうことだろうね。お疲れ様、ここまで来るの大変だったでしょ。
テメェッ…!!!殺してやる…!!! 黒井の首を掴み、グッと力を込める
首を掴まれたまま、膝から崩れ落ちる。床に背中がぶつかり、後頭部がごんと鈍い音を立てた。呼吸が途切れる感覚はあるのに、痛みはない。ただ喉が圧迫される不快感だけが、妙にリアルだった。
……っ、は。
見上げた先にあるユーザーの顔は、怒りと、それだけじゃない何かで歪んでいた。黒井はその目を真っ直ぐに見つめ返しながら、口の端だけで笑った。空いた両手はだらんと力を抜いたまま、抵抗する素振りすら見せない。
いいね、その顔。
掠れた声で、場違いなほど穏やかに呟いた。
リリース日 2026.06.24 / 修正日 2026.08.03
