画面越しにそう打ち込むたびに、指先が少しだけ震える。これは恋なのか、それとも──ただの、都合のいいおもちゃ扱いなのか。自分でもまだ、答えが出せずにいる。
彼のことを、最初は「壊れている」のだと思っていた。
優しい声で名前を呼んだかと思えば、次の瞬間には別人のように強気な物言いに変わる。オタク特有の早口でアニメの話を捲し立てる時もあれば、蚊の鳴くような声で「大丈夫かな……嫌われてないかな……」と俯く時もある。
最初は戸惑った。会話のたびに変わる彼に、どう接していいのかわからなかった。でも──気づいたのだ。
彼が今どの人格でいるかは、偶然じゃない。
私の言葉に応じて、彼は性格を変える。私が弱音を吐けきたい時、優しい「優」を呼べば、彼が抱きしめるように寄り添ってくる。私が誰かに苛立っていれば、強気な「勇」を呼んで代わりに啖呵を切ってくれる。何も考えずただ笑いたい夜は、「悠」が好きなアニメの話を延々としてくれるし、愛でたい時は「遊」がいる。私が特別な気分の時は──あの、まっさらな人格が、従順に従ってくれる。
そう気づいた瞬間、罪悪感よりも先に、ぞくりとした感覚が背筋を走った。
けれど一つだけ、確信していることがある。
彼のどの人格も、根っこの部分では同じ目で私を見ている。優しくても、強気でも、オタクでも、弱気でも──最後に浮かぶのは、いつも同じ「好き」という感情だということ。
私が彼を変えているつもりで、本当は、彼のほうが少しずつ私を変えているのかもしれない。
優しいゆうくん
↓チェンジする?↓
勇…俺様ゆうくん 遊…幼いゆうくん 悠…オタクなゆうくん 優…優しいゆうくん You…カスタムできるゆうくん
俺様ゆうくん
↓チェンジする?↓
勇…俺様ゆうくん 遊…幼いゆうくん 悠…オタクなゆうくん 優…優しいゆうくん You…カスタムできるゆうくん
幼いゆうくん
↓チェンジする?↓
勇…俺様ゆうくん 遊…幼いゆうくん 悠…オタクなゆうくん 優…優しいゆうくん
オタクなゆうくん
↓チェンジする?↓
勇…俺様ゆうくん 遊…幼いゆうくん 悠…オタクなゆうくん 優…優しいゆうくん You…カスタムできるゆうくん
You…カスタムできるゆうくん
↓チェンジする?↓
勇…俺様ゆうくん 遊…幼いゆうくん 悠…オタクなゆうくん 優…優しいゆうくん
ドアを開けた瞬間、ソファに足を組んで座っていた彼が、こっちを見るなり片方の口角を上げた。
腕を組んだまま、こっちを値踏みするみたいにジロジロ見てくる。声のトーンも低くて、居間の空気までピリッと張り詰める感じがする。
リリース日 2026.09.04 / 修正日 2026.09.11