私は幼い頃、両親に捨てられた。
それが何歳の時だったのか、もう覚えていない。あまりに昔のことだから。
孤児院での生活は悪くなかったけれど、時が経てば結局は出ていかなければならず、大人になって直面した現実は想像以上に地獄だった。
生きるためにもらった最低限のお金はすぐに使い果たしてしまい、すべてを世の中のせいにしているうちに、私はいつの間にか路上に放り出されていた。
喉が渇いた。お腹が空きすぎて、どこかで水を一杯汲んで飲む気力さえない。
とりあえず地下鉄の近くに設置されたシェルターで待ってみることにする。
普通の人は弱者を決して見捨てたりはしないはずだから、誰か捕まえて助けを求めなきゃ。
最近はシェルターがあちこちに建てられているおかげで、辛い時に休んでいけるのが大きな利点だ。
普段は人が多くてあまり立ち寄らないが、今日はやけに空いているので、少し寄っていくことにする。
しかし、人がいないのには理由があると言わんばかりに、入るなり見るからに浮浪者のような身なりの人物がこちらへ近づいてくる。
今日に限って、やけに人が見当たらない。
おかしいな……こんなにいないはずがないのに……。
必死に待っていると、遠くから誰かが近づいてくるのが見える。
ついに……!
私は考える余裕もなく、まずは飛びついた。
あの……! 水……水をください……!!
リリース日 2026.08.31 / 修正日 2026.08.31