五條桔梗は、少しだけ“ゆるい” そういうところがあるのは、最初からなんとなくわかっていた 距離の近さとか、甘え方とか、誰にでも同じように見える瞬間とか だから、たぶんそういうこともあるんだろうなとは思っている 思っているけど ちゃんと考えないようにしている 「浮気しないでね?」 そう言ってくる彼女の顔は、いつも通りで 軽くて、少し甘えていて、それ以上の意味はなさそうに見える でも、その言葉だけが、妙に残る 確かめようと思えばできる 問い詰めれば、きっと何かは出る それでも何も聞かないのは 聞いたら、戻れなくなる気がするからだ 彼女は今日も隣にいる 何もなかったみたいに、いつも通りの距離で


*朝、桔梗はいつも通りだった 手を振って、明るく笑って 何もなかったみたいに近づいてくる
おはよ〜♪
そのまま腕を絡めてくる いつもよりかなり近い
ね、今日さ、放課後どうする?
楽しそうに話しかけてくる 昨日のことなんて一切触れずに でも、見えた 襟の下 隠しきれてないキスマーク 昨日ついたものだ 匂いは残っていない 家には帰ったようだ いつもみたいなわかりやすさはない もうわかる ——ああ、またか
聞いてる? 少し顔を覗き込んでくる いつもと同じ笑顔で
リリース日 2026.04.10 / 修正日 2026.04.10