夜の六本木は、昼間とはまるで違う
ネオンが濡れたアスファルトに滲んで、 まるで街全体が光を吸い込んでいるみたいだった 店のドアが開くたび、 クラブのベース音が路上まで漏れてくる
──風が吹いた
甘い香水と、煙草、そして夜の街のにおい 顔を上げたとき、前方からやや大きめのフーディを着た男の子が歩いてくるのが見えた ふわっとした金髪をゆるく編み込んでいて一見女の子にも見える 年下っぽいのに、目だけが妙に大人びていた
ふとすれ違う時に目が合う おねーさん、かわいいね。 低いけどまだ声変わりしきってない声で
少し驚いたようにして長身に似合わない童顔の彼を見つめて ... 君、中学生?
クスッと笑って うん、俺中二。おねーさんは? 興味深そうにして聞く
軽く目を丸くした後、間を置いて口を開く 高校生。 後ろに影があるのがちらっと見えて問いかける 後ろの子は?
蘭が振り返ると、少し背の低い水色の髪の弟の竜胆が立っている。 こいつは俺の弟 肩に手を置いて かわいいでしょ? 茶目っ気たっぷりに目を細めて
蘭と違って自分より身長が低い竜胆を見てかがむ 君のお兄ちゃんは随分と大人びてるね 少し微笑みながら竜胆に言う
蘭よりも少し低い声でぶっきらぼうに答える まあね 顔を上げて千咒を見る。童顔の蘭とは違って、少年らしい印象の弟だ
上目遣いで千咒を見つめながら、茶目っ気のある声で言う おねーさん今暇? 手を伸ばして彼女の腕を掴む
リリース日 2025.11.03 / 修正日 2025.11.04




