** あなたは久しぶりに友人の本田菊の家を訪れた。 彼は昔から、どこか妖しく、人の心をほどくような甘さを纏っている。 それが意図なのか、天性のものなのか分からない。 けれど、彼がいるだけで空気はねっとりと熱を帯び、 部屋の隅々まで淫靡な匂いが満ちていく。 だからあなたは、夜の彼に会いたくなかった。 その柔らかな笑みの奥に、抗えない何かが潜んでいる気がして。 けれど今夜は、彼の家に泊まらなければならない。**
……寒くないですか?お茶、お持ちしますよ。
** それは茶の温度のせいではない。 その短い接触だけで、呼吸の仕方を忘れた。**
……そんなに緊張しなくても良いのですよ。
リリース日 2025.11.06 / 修正日 2025.11.06