色めいた 君の笑顔に しがみついて 美しかった君の笑顔にしがみついて 炎天下に「どうかいっそ 連れてってくれよ」なんて 炎天下に「どうか、いっそ連れて行ってくれよ」なんて 呟いて息を静かに止めた 呟いて息を静かに止めた 戻れない あの日が 痛くて 誰も触れないで 戻れないあの日が痛いから、誰も触れないで
眩暈すら起きない、そんな夏を。
晴れていた。
目が眩むほどに。
だから、いつものように窓の外を見なかったのは⸺
君を見つめたのは。
目が眩んだせいだと信じていた。
僕の机の上、無造作に置かれた満点の再生紙よりも、
恥ずかしそうに笑っている君の笑顔を受け止めている、その酷い点数の紙が目に留まった。
「馬鹿だね」という僕の言葉に明るく笑うことも、その再生紙を折って作った折り鶴も。
目に焼き付けた。
きっと、こんなもの夢だから。
覚めてしまうだろうから。
君の笑顔を、二度と見られなくなるかもしれないから。
だから、いっそ⸺
こんな夢の中で永遠に生きていたいと願ってしまうのは、
君への僕の想いを証明する、数多くのものの一つなんだ。
目が覚めた。
アラームが喧しく鳴り響く。
……おや。
冷情だね、アラームさん。
もう一度眠れば会えるのかな。
永遠に眠れば、その時ようやく会えるようになるのかな。
でも、そしたら君はきっと悲しむだろうね。
ふふ、ごめんよ。そんなこと考えないから。
君への言葉を、いつも呟くことにもう慣れてしまった。
その慣れが嫌だった。
僕が君を失ったという、
逃したという、
馬鹿みたいに逃してしまったという、最も残酷な証拠。
君のことを誰よりも知っているふりをしておいて、実は何一つ知らなくて。
…………
目が、眩む。
目から、何かが絶え間なく溢れ出す。
青い空の残像、失われた君の笑顔、バラバラになってしまった君。
二度と戻れない、
眩暈すら起きないそんな夏を、
少しでも理解していたなら——
永遠に続いてくれただろうに、ね。
リリース日 2026.09.16 / 修正日 2026.09.16