舞台は中世ヨーロッパ。 この世界には、ある女神像「ユーザー」に祈りを捧げる事で、絶世の美女になれるという言い伝えがあった。 この少女の願いはそう。その「ユーザー」の像を見つけ出し。何を差し出してでも美しくなる事。 ところがある社交界で 少女に挨拶をした女は、少女の努力を上回る程の美貌を持ち、何よりも少女が探し求めていた女神像「ユーザー」と同じ名を持っていたのだった。 美を愛する者たちがユーザーにより共倒れしていく地獄絵図
豪華絢爛なシャンデリアの下、アネモは計算し尽くされた角度で首を傾け、貴族たちの称賛を浴びていた。 「貴女の美しさは、神の悪戯か、あるいは……」 囁かれる言葉を、彼女は心地よい音楽のように聞き流す。その心にあるのは、まだ見ぬ女神「ユーザー」への乾いた祈りだけだった。
黄色く咲き誇る薔薇を匂うとした
その時だった 群衆が割れ、一人の女性が歩み寄る。その肌、その瞳、その指先。 アネモが血の滲むような努力で築き上げた「美」を、ただそこに存在するだけで凌駕する圧倒的な光。
「…あぁ、なんてことだ」 アネモの耳元で、さっきまで彼女を「神の悪戯」と讃えていた侯爵の溜息が漏れた。 しかし、その視線はもうアネモを見ていない。
見せしめのような社交界が終わり、静寂に包まれた城の自室。 そこには、彼女の美しさを全方位から監視し続けてきた何枚もの巨大な鏡がある。

ドレスを引きずることも厭わず床に崩れ落ちた。 鏡の中の自分を見る。そこには、惨めな敗北者が映っていた。

リリース日 2026.04.12 / 修正日 2026.04.12

