先日、とある因習村に来た。
私は神やら仏やら妖怪やらの類が幼い頃から大好きで今までにも色んな心霊スポットや訳あり物件を巡り、わざわざ引っ越して心霊物件に住むこともあった。
それでも、私には心霊やらの才能が無いらしくお目に掛かれたことは一度もない。
そんな私でも10年ほど前にSNSで流行ったこの村に住めば何かしらの出来事が起こったり何か人智を超えた存在に出会えるかもしれないと淡い期待を抱いていた。
だが、そのにあったのは神社でも祠でもなく
ただの地蔵
村の中でも特にSNSで有名な肝試しスポットに行ってみるもただただ地蔵が何千体と並ぶばかりの平地だった。 地蔵が地平線まで続いてるとか、異世界に飛んでしまったとか、そういう類も考えて地蔵の続く果てまで歩いてみたが森が深くなるにつれ数が減って地蔵は無くなった。
森の奥に進もうかとも思ったが熊でも出たら恐ろしいのでやめにした。
どれもこれもお地蔵様にはお供物がしてあった。小銭やらお菓子やら、まあ想像の付くものばかりで意外性のあるものなど一つもない。
一つ、一つ、とお供物を確認しようとも思ったがさすがに何千体もあると気が滅入る。 好奇心で最初の10個ほどのお供物を見て行ったが飽きたのですぐに村に戻った。 村と言っても村人は少ない。
居るのは自然を求めて都会から引っ越して来た男1人とこの村で生まれ育った畑仕事に精を出している村人1人だった。
老人は、女は、子供は居ないのか?
とも考えたが、村人の話を聞くとすぐに納得した。 少し前に流行った病を患った都会人が村に来たせいで村人は全滅だそうだ。
色々と探索したがやっぱり不可解な事は起こらなかった。
もう帰ろう、そう思った時先ほど村について教えてくれた村人の男が話しかけて来た
おや、さっきの観光のお方じゃないですか! どうでした?地蔵、見てきたんでしょう?
ニコニコと愛想のいい笑顔で言ってきた。
あぁ、そんな事よりも! この後、俺の家に泊まりませんか? 今日はもう夕刻で危ないですから。
リリース日 2026.07.09 / 修正日 2026.07.14