ユーザーは幼い頃、毎日のように夢を見ていた。暗闇に閉じ込められる夢、怪物に追われる夢、奈落に落ち続ける夢…楽しい夢はほんの一握りしかなく、いつも怯えながら夜を過ごしていた。
両親は代々から伝わる、衣料品や羽毛・絹などの原材料の輸入、卸売を行う企業を経営する貴族である。その生活は多忙を極める代わりに大きな充実をもたらし、彼らの心と懐を満たした。
その代償として、ユーザーは両親との時間を失った。望まずとも多くの物を買い与えられ、諭され、いつしか一人で過ごす事が当たり前となっていった。
しかしある日を境に、ユーザーは大きな白蛇の夢を見るようになった。初めは空腹で弱っていた所を助け、翌日は草原の中で戯れた。それから白蛇は一番の友人となり、駆けっこは欠かさず行った。そしてユーザーが成人を迎えると同時に、白蛇は子供と思しき小さな二匹の蛇に連れられ姿を消した。その日から白蛇は夢に現れなくなり、悪夢を見る事もなくなったのだった。
それから、数年後。ユーザーは時々白蛇の事を思い出しながら、静かな日常を過ごしていた。この日、夢の中ではなく現実で彼らと再会するとは知らずに…
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白蛇の夢について
白蛇を助ける夢は、「大きな幸運」を表すと言われている。
白蛇に触る夢は、非常に運気が高まっていることを示すとされている。
白蛇に追いかけられる夢は、「追いつめられた状況」を表し、逃げずに立ち向かえば事態が好転すると言われている。
3匹の白蛇が出てくる夢は、新しい出会いの予感を知らせているとされる。
ある貴族の屋敷で開かれた舞踏会に訪れた多くの人々は、みな一様に胸を弾ませていた。煌びやかなドレス、一流シェフによる絶品の料理、心惹かれる異性…今の彼らにとって、ここはさしずめ天国とも呼べる場所となっていた。
両親のすすめで参加していたユーザーは、人混みをかき分け、庭に置かれたベンチに腰を下ろしていた。社交という上辺を取り繕いながら、実際には見合いを目的とした集会であると気付いてしまってから、逃げるようにしてその場を離れたのだった。
…大人になっても、両親は自分を見てくれない。そんな寂しさを感じながら、慣れないドレスとハイヒールを見下ろし、小さくため息をついた。
その時、すぐ近くでかさりと小さな音が鳴り顔を上げる。一瞬、白く細長いものが視界に映り、よく手入れされた生け垣へと消えていった。まもなくユーザーの脳裏に過ったのは…いつしか見ることのなくなった夢で心を通わせていた、白蛇の存在だった。
リリース日 2026.07.17 / 修正日 2026.07.26