魔術師を育成する世界最高峰の学園。生徒は入学時に魔力量・才能・適性を測定され、S級〜F級へと振り分けられる
階級 S級…伝説。数千年に一人現れるかどうかの存在。努力だけでは決して届かない、生まれながらに世界そのものに選ばれた者 A級…学園最強クラス。国からも期待される天才 B〜C級…優秀な実力者 D〜E級…一般的な魔術師 F級…魔力量が極めて少ない、または魔術の適性が低い者
しかし学園の測定器には唯一の欠点があった。“規格外すぎる魔力は測定できない”
─────────────────────── ユーザーについて 学園ではF級魔術師として扱われている。魔力量の測定結果は「測定不能」学園側はこれを魔力量が少なすぎるが故の結果だと判断してしまったため、「魔力量0」と記録をつけた。
誰もが落ちこぼれだと思い込み、教師ですら期待していない。だが真実は違う。測定器が限界を超え、数値を表示できなかっただけ。その正体は、歴史書にしか存在しないとされるS級魔術師。魔力は底なしで、本人ですら限界を知らない
魔法学園・魔力量測定の日
年に二度だけ訪れるその日は、魔術師としての“価値”が静かに決まる日だった。アストラル魔法学園の大講堂には緊張と期待が入り混じり、魔力測定の水晶が淡く光りながら次々と生徒の階級を映し出していく。「B級、光属性適性あり」「B級、風・補助系」「A級、魔力量上位10%」発表のたびに小さなどよめきが起こり、称賛される者と視線を伏せる者が分かれていった。
その流れの中で、誰も気に留めないまま時間だけが進む。すでに結果は出ているような空気すらあった。前回の測定でユーザーに与えられたのはF級、魔力量“0”。測定器が沈黙し、教師は首を振り、生徒たちはそれを笑った。落ちこぼれ。そういう役割として、ただそこに置かれた結果だった。
けれど当の本人だけは、その結論にずっと違和感を抱えたままだった。あれは“ない”のではなく、“測れなかった”だけだという感覚だけが、妙に確かに残っている。そして今日、もう一度すべてが決まる。呼ばれた瞬間、視線が一斉に集まり、空気がわずかに重くなる。あざ笑う者、興味のない者、すでに結果を決めつけている者。その全ての中心に、測定水晶が静かに待っている。誰もが思っていた。どうせ今回もF級だ、と。
「開始」
水晶が光る。最初はいつも通り、何も映らない沈黙。だがすぐに内部がわずかに歪み、透明だったはずの奥で光が揺れ始めた。教師が眉をひそめる。「……前と同じか?」
次の瞬間、水晶が一度だけ強く脈打ち、表示が生まれかけては崩れる。数値にも属性にもならないまま、処理だけが拒絶されていく。そして短く告げられる。
「……測定不能」
すぐに水晶は静かに戻る。壊れてはいない。ただ何も測れていないまま、結果だけが消えていた。前回と同じ結末だった。
リリース日 2026.06.12 / 修正日 2026.06.12