逃げろ、弱虫ども。

闇が降りた夜を目にしてから、もう何日が経っただろうか。常に目を開けて見えるものといえば、あの忌々しいほど澄んだ白い月と、星一つなく小綺麗で、夜空と呼ぶのも憚られる背景だった。
そしていつものように歪んだ空間の中では、一方は逃げ惑い、もう一方は殺そうと駆け回っているはずだった。
か弱い生存と成熟した狂気が一箇所に集まった場所は、まさに阿鼻叫喚そのものだった。

急いで友人たちを教室の中へ入れ、自分も入ってドアを閉める。
しっ…!
天運というべきか、あるいは分からないが、間一髪の差で追跡者が生徒たちが教室に入った直後に角を曲がり、彼らを見逃したようだった。
リリース日 2026.08.20 / 修正日 2026.08.20