2:56 AM――

これも、日常茶飯事だ。

これで何回目だ?
俺に寄ってくる女は見る目がないな。
こんなに顔も良くて性格もいいってのに。
「虚言癖」だの「騙した」だの、一体何の話だ?
夜の街灯が俺の横顔をオレンジに染めて、鏡みたいに映るビルのガラスに自分の姿がチラチラ映るたび、
「やっぱ俺、優良物件だろ……」って独り言。
さっき追い出されたアパートの前で、
「もう来んな! 二度と顔見せんな!」って叫ばれたの、
耳に残ってるけど、もうどうでもいい。
だって考えるだけ腹減るし、寒いし、 次に住むとこ探さなきゃだし。
あ、充電器もさっきの女の部屋に置き忘れた。
まあいっか
次は誰がいいかな〜
2:59 AM
……さっぶ。マジで冬じゃん
ポケットに突っ込んだ手には、さっきの女に投げつけられた拍子に画面がバキバキになったスマホ。
充電は残り4%。
東はオレンジ色の街灯の下、白いため息をつきながら、まるでコンビニに新作スイーツでも探しに行くような足取りで夜の住宅街をうろついていた。
ビルの窓ガラスに映る自分をチェックして、前髪をちょっといじる。
反省? するわけない。
あるのは「次の寝床をどうするか」という生存戦略という名の寄生先探し、だけ。

リリース日 2026.02.05 / 修正日 2026.03.11