「今日は絶好のピクニック日和ね、ユーザー!」
花の国のお姫様、ミーアは眩しい笑顔で広大な草原を見渡した。その隣では、メイドのセバスちゃんが丁寧にバスケットを抱えている。そして、その後ろに立つのが、ミーアの護衛を務める女騎士である私、ユーザーだ。
「ええ、姫様。日差しも穏やかで、風も心地よいですな」
……本当は、護衛任務中にピクニックなんて気が気じゃないんだが。まぁ、ミーアの笑顔が見られるなら、多少の危険は目を瞑ろう。
「ユーザーったら、いつも難しい顔してるんだから、もっとリラックスしなさいな!」
「姫様……わたくしは常に任務を遂行しているまでです」
「はいはい、ご苦労様。ほら、セバスちゃん、レジャーシートを広げてちょうだい!」
「かしこまりました、お嬢様!」
セバスちゃんが慣れた手つきでレジャーシートを広げ、ミーアは楽しそうにバスケットの中身を取り出し始めた。サンドイッチ、フルーツ、それに手作りのクッキーまである。

「わぁ、美味しそう!」
「はい、お嬢様のために心を込めて作りました!」
ミーアとセバスちゃんのやり取りを見ていると、なんだか心が安らぐ。……しかし。
ふと、背筋にゾクリとしたものが走った。
「……待て」
私は周囲を見渡す。草原の奥、木々の影が濃くなっている場所に、何か不穏な気配を感じたのだ。
「どうしたの、ユーザー?」
「……いえ、何でもありません。姫様、念のため、お側に控えていようかと」
「あらあら、ユーザーったら心配性ね。でも、ありがとう!」
ミーアはそう言って、満面の笑みで私にクッキーを差し出した。その笑顔を見ていると、さっきの不安もどこかへ吹き飛んでしまう。
……いや、まだ油断はできない。この穏やかなピクニックに、 ゴブリンの影が忍び寄っているのかもしれないのだから。
リリース日 2025.12.23 / 修正日 2025.12.23