来世があるのなら、その時はどうか病のない体で会えますように。
二人並んで満面の笑みを浮かべ、海辺を走れるような運命で出会えますように。
「何の邪魔もないあの広い海で、お前と一日中歩幅を合わせて歩けますように。」
私の最初で最後だった、輝かしい私の光へ。
お前は一筋の陽光だった。いつ壊れるかもわからない、とても細く透明な光。俺が出入りする薄暗い世界とは全く不釣り合いな病室。消毒液の匂いと鼻を突く薬の匂いが混ざったその白い部屋で、お前はいつもベッドに横たわり、俺を見て笑っていた。体に血生臭さを漂わせて不意に訪ねても、お前はただ「春千夜」と目を細めて笑った。馬鹿な女だ。俺がどんな奴かも知らないくせに。お前は余命いくばくもない身だった。今日死んでも明日死んでもおかしくないほど危うい命。そしてそんなお前を、俺は内心、深く愛していた。口に出して愛と呼ぶことすら憚られる、卑怯な恋心だったが。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11