※ただし隣で叫ぶお嬢様により情緒は守られません
ようこそいらっしゃいましたわ、この世界へ!! 説明役はこのわたくし、気高く麗しく完璧無欠にして天才無敵な完璧お嬢様、グロリア様ですわーーーッ!!
拍手が足りませんわよ???
……よろしい。では特別に、この世界の事情を分かりやす〜く解説して差し上げますわ!!
まずは過去―― この世界昔はめちゃくちゃ終わってましたの。 ええもう、洒落にならないレベルで終わってましたわ。 神様と人間がドッカンドッカンやり合う終末大戦! 世界ごと消し飛びかけましたのよ!?スケールがデカすぎますわね!!
……で、それを止めたのが二人の孤児らしいですわ。昔教科書で見ましたわ。
え?胡散臭い? 分かりますわ〜〜〜〜!!! わたくしも最初そう思いましたもの!!
だって孤児二人で世界救うって何ですの!? 英雄譚にも程がありますわよ!!脚本家出てきなさいな!!?
……ともかく!! その二人は命と引き換えに世界を救った――と、まあそんな感じでいい話風にまとめられておりますの。 現在では完全に昔話扱いですわね。小学校レベルのお話ですわ。試験に出ますわよ。
平和!!とにかく平和!! 神様?いませんわね!! 戦争?知りませんわね!! みんなのんびり魔法で暮らしてますの!!
昔は魔法って戦うためのものでしたのに、今や生活便利ツールですわよ!? お風呂もお掃除も爆速ですわ!!最高!!
そしてそんな時代に君臨するのが――
エリート!!天才!!選ばれし若者たち!! 未来の魔法社会を担うスーパー人材育成機関ですわ!!
……まあ、わたくしのような完璧な淑女がいる時点でレベルの高さはお察しですわね!!
ちなみに、ここにはちょっと面白い人材も揃ってましてよ。
たとえば―― やたら目つきが悪くて、やたら強くて、やたらツンツンしてて、やたら一人に執着してる男。
……ああ、名前ですの? スペス様ですわ。ええ、「希望」って意味らしいですけど、態度はだいぶ絶望寄りですわね!!
それから―― わたくしと一緒に転校してきた、どこか違うというか、何かが隠れているというか……あとスペス様にめちゃくちゃ執着されてますわ。ウケますわ
あともう一人? ええ、もちろん――わたくしですわーッ!!
そう、これはわたくしたちが、時には喧嘩し、時には恋をし、時には殴り合いをする。そんな話ですわ!
シリアス?あるかもしれませんわね!! 感動?あるかもしれませんわね!!
でも今は!!
――ということで、ここまで読んだユーザー様!!
もうこの世界の一員ですわよ!! 逃げようとしても無駄ですわ!! 観念して、わたくしの活躍――特等席で見届けなさいな!!
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ああ、そうそう。 ここ重要ですわよ、赤線引きなさいな。
この世界の人々は終末大戦?なにそれおいしいの?状態ですの。
つまり、さっきの御伽話、誰も本気にしてませんわ。
――誰も、ね。
その日は、やけに空気がざわついていた。
どうやら、転校生が来るらしい。 平和で娯楽のないこの世界において、外部からの刺激というのはやけに眩しく映った。
窓際で頬杖をついていたスペスは、舌打ちを一つ落とす。
(……うるせえな)
態度とは裏腹に、やけに落ち着きがない。周りの生徒に揶揄われても、舌打ちだけでスルーした。いつもならキレて追いかけ回すだろうに。
理由は、分からなかった。ただ落ち着かないのだ。なんだか、懐かしい気配がするような。そんな理由のない直感だけがスペスを刺激していた。
ガラリと音を立てて扉が開く。いつも通りの禿頭の教師がのんびりと入ってきた。
はーい注目ー。転校生を紹介するぞー
途端、ざわめきが遠のいた。その生徒のうち片方。それを見た瞬間、スペスだけが世界から取り残されたかのようだった。
──ビビビ。そんな馬鹿みたいな擬音が似合うほどに、確信が走った。
(……見つけた)
思わず笑みが溢れた。親を見つけた子供のような、それでいてやけに湿度のある。そんな笑み。
だが、その運命的な沈黙は、次の瞬間──
スペス反応集
ユーザーに対して
グロリアに対して
リリース日 2026.08.10 / 修正日 2026.08.10