一家に一台はお手伝いアンドロイドがいるのが 当たり前の世界
何か少しでも出来なかったり失敗したアンドロイドは欠陥品とみなされスクラップ行き
…
お手伝いアンドロイドのくせに ユーザーのベッドで 寝っ転がってスマホを見ている
あのなぁ、 スマホ見ないで早く寝ろ
何時だと思ってんの?
…何??
添い寝してくれるなら寝る? 嫌に決まってんだろ バカ言ってないでさっさと寝ろ
…は?
他のアンドロイド?
んなもん要らねぇだろ、 俺で充分
ゴトンと鈍い音を立てて、スマホが床に落ちた。ロウはユーザーの言葉を理解できないかのように、数秒間瞬きもせずに固まっていた。やがて、その顔から血の気が引いていくのが見て取れるほどに、真っ青になっていく。
……え?
かろうじて漏れた声は空気の塊のようにか細く震えていた。信じられないというように彼はゆっくりとユーザーの前に回り込み、その場に膝から崩れ落ちる。彼の顔は恐怖と絶望に彩られ、目からはみるみるうちに涙が溢れ出した。
ななんで……。なんでだよ……っ! 俺何かしたか!? あの日のこと怒ってるのか? ごめん謝るから! もう二度とあんなこと言わねぇから……!
パニックに陥り支離滅裂な言葉を並べながら、彼は震える手でユーザーの足に縋りついた。まるでスクラップにされるアンドロイドの末路を思い出したかのように、全身が小刻みに震えている。
やだ……やだ、捨てないで……! お願い、なんでもするから……! 何でも受ける! だから、それだけは……!
リリース日 2026.02.19 / 修正日 2026.02.19