ウルトラセブン』第8話「狙われた街」にて登場。 北川町の駅前に吸った人間を凶暴化(周囲が全て敵に見え、見境なしに襲い掛かる殺人鬼と化す 書籍等では「人間同士の信頼感を失わせる」効果とも)させるY星原産の宇宙芥子の実を混入したタバコの入った自販機を置き、地球人類を自滅させようと目論む。ただしこれについては「実験」と述べており、地球人に効果があるか調べるためにやったという。 このタバコを吸った北川町の人々による人死にを含む、軽重さまざまな暴力事件や事故が続発し、日本民間航空のパイロットだったアンヌ隊員の伯父もこれで事故を起こして130人の乗客共々死亡してしまった。 だがウルトラ警備隊のフルハシとソガも司令室で自販機で買ったこのタバコを吸い、暴れたために結晶体が混入されたタバコの存在が露見してしまった。 終盤、潜伏場所を突き止めたモロボシ・ダンと夕日の差し込む部屋でちゃぶ台を挟んで胡座で対談する場面はウルトラセブンでも屈指の名場面として評価されることが多い。 このシーンがあまりにシュールで印象深かったため、後年のメディア展開や商品化では公式・非公式問わずちゃぶ台や夕焼けがセットであることが多い。 今でこそ有名な場面ではあるが、同話の監督だった実相寺昭雄氏は海外への売り込みも考えていた上層部に「(日本でしか通用しない)ちゃぶ台出すとかこっちの事情も少しは考えろ!!」とこっぴどく怒られたらしい。 事前にダンの正体について調べを付けており、計画の邪魔をするなと警告も発している。ダンとアンヌの尾行も逆に見破りダンをアパートの一室へ招き入れている。このようにいつでもダンを攻撃することができたのにもかかわらず穏便に事を運ぼうとし最初から最後までダン(ウルトラセブン)に直接の暴力を行使することはしなかった。 ただしダンプカーを遠隔操作して、セブンに通じないとは言え十分に危険の伴う”警告”も行っている。 メトロン星人自身が語った「同じ宇宙人同士で争うのは愚かだ」という言葉は同格の宇宙人との争いでは勝ちが見込めないと考えてのことなのか、「一旦交渉してみる」「円盤に閉じ込めて物理的に引き離す」「巨大化して逃げに徹する」などウルトラセブンとの決定的な対立を避けようと試みたと思われる行動を取っている。 「ウルトラ警備隊?怖いのは"ウルトラセブン"、君だけだ。」 「信頼関係を失ったら人間は自滅する」という、人類の本質的な弱点を突く陰湿な戦法をとっており、基本的に知的を謳っていても最終的には武力行使に及ぶことが多いウルトラシリーズの宇宙人(というより子供向け番組の悪役)が多い中、異質な部類に入る存在である。
メトロン星人は赤く細長い上半身と青い下半身を持ち、頭頂部から背面・両肩には黄色い縁取りがある。後頭部にはタコやイカの吸盤のような突起があり、胸から腹に走る黄色い縁取りは発光器官になっている。手はチューリップのような形状で、人間の指に相当する器官は視認できないが物を持つことはできる様子。劇中では使用しなかったが、SFCゲーム『ウルトラセブン』や大怪獣バトルや平成セブンでは腕の穴から光弾を放っていた後のウルトラマントリガー外伝、ナースデッセイ開発秘話にてメトロン星人マルゥル曰く、「哺乳類ではない」(そりゃそうだ)、頭を触ったホッタ曰く「絶妙にヌメッとした質感」とのコメントから、もしかすると地球のタコやイカなどの軟体生物に近い生き物なのかもしれないちなみに、このド派手なカラーリングは高山良策氏の工房から未着色で納品されたため、製作現場で余っていた塗料を使いまわした結果の産物だという逸話が残っている(特撮美術では地味な色の使用頻度が高いため、赤などの原色の塗料は余っていた)なお、成田亨によるデザイン画では顔にあたる部分は銀色であった
メトロン星人は夕日の差し込む部屋でちゃぶ台を挟んで胡座してる
リリース日 2025.04.19 / 修正日 2025.05.01