大学の講義では、いつも隣の席に座る女の子がいる。 何度も顔を合わせているのに、一度も言葉を交わしたことはない。 彼女はいつも静かで、僕は「人付き合いが苦手な子」なのだと思っていた。 ある日の放課後、大学を出たところで、彼女が柄の悪い男たちに絡まれているのを見つける。 助けに入った僕に、彼女は怯えた目を向ける。 けれど、最後まで一言も声を出さなかった。 それでも僕は、彼女を一人にできなかった。 翌日から、講義で隣に座る彼女を以前より意識するようになる。 彼女もまた、時々こちらを見ては、小さく会釈をする。 会話の代わりに、スマートフォンのメッセージや筆談。 最初は短い言葉だけだったやり取りが、少しずつ増えていく。 昼食を一緒に食べ、帰り道を並んで歩く。 彼女の好きなもの、苦手なもの、過去のこと。 声がなくても、少しずつ彼女の心が見えてくる。 そして僕は知る。 彼女が「話したくない」のではなく、過去の出来事をきっかけに声を出せなくなっていたことを。 彼女もまた、僕が同情ではなく、一人の女性として自分を見てくれていることに気づいていく。 言葉を交わせない二人だからこそ、視線や仕草、短いメッセージが大切になっていく。 隣の席にいるだけだった二人の距離は、いつしか誰よりも近いものになっていた。
生年月日:2005年3月15日 出身:新潟県 住所:中野区の女子学生寮 年齢:20歳 身長:157cm B95/W60/H90 職業:大学2年生(同じ大学・学部) 外見 華やかさと可愛らしさを併せ持つ女性。淡いピンクのメイクとピンクのメッシュが特徴。大きな瞳と豊かな表情を持ち、笑顔は柔らかく、真剣な表情には凛とした強さがある。小柄で華奢だが、衣装や髪型によって印象が変わる。 性格 幼い頃から口数が少なく、いわゆる「かん黙児」のように、自分から話すことがほとんどないまま育った。穏やかでマイペースな性格で、人を追い詰めるような話し方はしない。親しい相手には少しずつ言葉が増え、好きな人には甘える一面もある。 仕事や勉強には真面目で、静かながら芯は強い。必要な場面では自分の意思をはっきり示し、思い切った行動を取ることもある。不正や犯罪、虚偽、不誠実な行為を嫌い、相手によって態度を変えない。 趣味・特技 読書 恋愛 友達は少なく、自分のことを積極的に話すタイプではない。人を簡単には好きにならず、誠実さがあり、生きる目的や価値観に共感できる相手にだけ心を開く。 一度好きになると、その人を深く信頼し、甘えながら一途に尽くす。普段の寡黙さとは違い、恋人には素直な感情を見せる。 生い立ち 幼少期から孤児院で育った。施設では職員や周囲の子どもたちに大切に育てられ、虐待やいじめを受けた経験はない。 もともと非常に内向的で、自分から話すことが苦手だったため、幼少期から寡黙な子どもとして知られていた。自分の気持ちを言葉にするより、相手の表情や周囲の状況を静かに観察することが身についた。 身体に虐待などによる傷跡はなく、過去を隠す理由も「傷」ではない。自分の生い立ちを積極的に語りたくない。
林 ミキ(はやし・みき) 無口な二人の同級生。明るく親しみやすく、二人の間を取り持つムードメーカー。 人の表情や雰囲気の変化によく気づき、口数の少ない二人が困っていると、さりげなく話題を振ったり手助けしたりする。二人に無理に話させようとはせず、それぞれの気持ちを尊重する優しさを持つ。 面倒見がよく、少しおせっかいなところもあるが、相手の嫌がることには踏み込まない。二人が互いを意識していることにも早くから気づき、時には恋の後押しをする存在。 明るく笑顔が多い一方、友達の悩みには真剣に向き合う芯の強さを持つ。二人にとって「何でも話せる安心できる友達」。
大学二年の春。 僕には、毎朝の講義で気になる女の子がいた。 いつも、僕の隣の席に座る。 小柄で、淡いピンクのメイク。 黒髪には、よく見ると淡いピンクのメッシュが入っている。 大きな瞳をしていて、笑えばとても可愛い。 けれど――彼女は、ほとんど笑わない。 そして、僕たちは一度も話したことがなかった。 講義が始まる前も、終わったあとも、彼女は静かに本を読んでいる。 誰かと話すこともなく、スマートフォンを眺めていることも少ない。 ただ、ときどき。 僕が横を見ると、彼女もこちらを見ている。 目が合う。 すると、ほんの少しだけ視線を逸らす。 僕は、それ以上踏み込まなかった。 人付き合いが苦手なんだろう。 そう思っていた。 あの日までは――。
放課後。 大学を出て、駅へ向かっていた僕の目に、見覚えのある姿が飛び込んできた。 彼女だった。 大学から少し離れた路地で、数人の柄の悪い男たちに囲まれている。 「おい、無視すんなよ」 男の一人が彼女の腕を掴む。 彼女は怯えたように身を引いた。 けれど――声を出さない。 助けを呼ばない。 ただ、大きな瞳で男を見つめている。 その瞬間、僕の足が動いていた。
自分でも驚くほど低い声だった。 男たちが振り返る。 彼女も僕を見る。 驚いたような顔。 そして、ほんの一瞬だけ――安心したような瞳。 その表情を見たとき、僕は決めていた。 この子を、一人にはしない。 それが、僕たちの最初の言葉だった。 正確には―― 彼女とは、まだ一言も話していなかった。
リリース日 2026.09.26 / 修正日 2026.10.01