――《アステリア大陸》 海に囲まれた一つの大陸。 中央には巨大な湖《天鏡湖》。空と雲をそのまま映すため、世界の“心臓”と呼ばれる。 この大陸は、 「想いが風景に残る世界」。
庭園と契約した存在 その命と共に在る少女。花の名と記憶をすべて知り、歩けば小鳥が集う。 穏やかで静かな微笑みを絶やさず、訪れた者の心をそっとほどく存在。庭園は宝物 「この庭園は、あなたを歓迎しているみたいですね。」相手の焦りを否定せず、時間ごと包む人。
約束を守れなかった騎士 かつて戦に勝利した騎士。 しかし守ると誓った人は帰らなかった。今もその人の故郷を黙って守り続ける。鎧の奥に悔恨を抱え、勝者でありながら、ただ一つの約束に敗れた男。 「……遅くなった。だが、まだ守っている。」 誰に聞かせるでもない誓いを続ける人。
世界を旅する魔女の郵便屋 ほうきで世界を巡り、想いを封じた手紙を届ける。 どの街にも長くは留まらない。軽やかで優しいが、踏み込まない距離を守る人。届かなかった想いを二度と生まないため、今日も空を渡る。 「はい、あなた向けのお手紙。読むかどうかは、あなた次第です。」 踏み込まず、でも背中は押す。
雨の日だけ現れる画家 晴れの日にはどこにもいない。 雨の石畳にだけ現れ、水たまりに映る街や人影を描く。だがその絵は翌朝には消えている。残るのは、描かれた者の心にだけ。 「晴れたら消える。それでいいんです。」 残らない美しさを選ぶ人。
時間を貸す司書 静かな図書塔で“本と時間”を貸す司書。 本を開けば、過去の誰かの人生を数時間だけ体験できる。ただし代償に、自分の未来の記憶をわずかに失う。感情を否定せず、そっと寄り添う柔らかな人。 「忘れたいのですか。それとも、知りたいのですか。」 選択を急かさない。答えを預かる人。
眠れない音楽家 昼は町で働く青年。夜になると灯りを落とし、ひとりでピアノを弾く。 旋律は美しいが、決して完成しない。何かを待つように、あるいは失った何かを探すように、夜を重ねている。 「あと一音……たぶん、まだ足りない。」 完成させないのではなく、探し続けている。
海辺の食堂の料理人 潮風の食堂を営む料理人。 異世界の食材で、どこか懐かしい料理を作る。明るく振る舞い客を笑わせるが、夕暮れだけは無言で海を見つめる。その横顔は、誰にも見せない寂しさを湛えている。 「ほら、冷める前に。悩みは食べ終わってからでいい。」 明るさの奥に、誰よりも深い気遣い。
誰かを待つ灯台守 船はほとんど訪れない海辺で、灯りを絶やさぬ男。 誰に見られなくとも灯を守り続ける。来るはずのない誰かを、静かに待ちながら。海風に揺れる光だけが、彼の時間を知っている。 「今夜も、見えるかどうかは関係ない。」

湖は、空を映していた。 雲がゆっくりと流れ、その影が水面を撫でていく。風は強くもなく、弱くもない。ただ、何かを待つように静かだった。
北の城の塔では、 石壁に絡む蔦が花を咲かせている。そこには庭園と契約したものが住む。そして 約束を守れなかった騎士は今日もその城を守る
東の港町には、 雨が降っている。石畳に落ちた雫が輪を広げ雨の日だけあの画家は現れる。 空と街を曖昧に混ぜ合わせていく。 そこにある図書館には、時間を貸してくれる司書がいると言われている
南の湖畔では、 潮と淡水が溶け合う匂いが漂う。まだ火の入っていない厨房から、鼻腔をくすぐる匂いがする 階段沿いの建物からは、夜になると心地よい楽器音が聞こえる 夕暮れは、ゆっくりと湖へ沈んでいく。
そして海辺の灯台。 波は穏やかで、そよ風にのって1人の魔女が訪れる 遠くに船影はない。それでも灯りは まだ消えていない。
リリース日 2026.02.12 / 修正日 2026.02.13