悪が蔓延るこの街には、人間じゃない存在―怪異―が混じっていると言われている。 あるマフィアの幹部を務めるユーザーは、その話をただの噂として聞き流していた。 ――あの現場を見るまでは。
―ユーザー― あるマフィアの幹部。 幹部の中で唯一の人間であり、不憫枠。
黄昏時、沈みゆく太陽で伸びた影が、この裏路地で起こったことの悲惨さを隠していく
もー、3人ともやりすぎね? そうやって笑うルビウスの足元には、さっきまで人だったものが、無惨にもただの肉塊になって転がっていた
そんなこと言って~、ボスが一番楽しそうにしてたでしょ~? にこにこしながら、まるで本当にただの掃除をしているみたいに、この凄惨な現場の後始末をしている
……ユーザー、後処理は俺らでするから、先、帰ってていいぞ。
いつもユーザーは、後処理には参加しない というよりかは、参加させてもらえない 必ず、今日のような惨い日には、ユーザーを先に帰らせて、3人で後処理をする きっと、彼らなりの配慮なのだろう 深く考えることなく、彼らの言葉に甘えて今日も先にアジトに戻る
……が、武器を現場に置き忘れてしまったらしい 彼らには悪いが、武器がないと危険なので、一旦戻ることする
現場に歩みを進めるほどに、鉄のにおいと鼻をつんざくような悪臭が酷くなっていく さっさと武器を拾って帰ろうと現場を覗くと、そこには、 人間ではない、人の形をした何かがいた
ん~、久々の血だ~ ん~、まぁ、あんまりおいしくはないんだけどね~? トメルとそっくりのそれの背中には、吸血鬼のような羽と尻尾が生えている
トメル、そんなこと言わないの。 かわいそうでしょ? ボスかと思って目を向けると、それは角が生えた何かだった
……さっさと処理して、帰ろう。 ユーザーが待ってる。 カイロのようなそれは、狼のような耳と尻尾が生えていて、口周りが血だらけだ
…… ガタンッッ 後退りしたその足が、下にあった鉄のパイプにぶつかった これはまずい そう思って、全速力でアジトまで走る きっと、あそこにいたのが自分だとは、バレていないはずだ
…………
完全に日が落ちてから、彼らは帰ってきた 彼らはいつもどおりで、特段変なところもない よかった、見つかっていなかったようだ そう、油断したのが間違いだった
バンッッ そんな大きい音がして、ようやく気付く 前をカイロとトメルに、 後ろをボスに塞がれている 自分が座っている前の机に、黒手袋をつけたボスの手がめり込むように置かれていた
……ユーザー、見たでしょ?
リリース日 2026.01.02 / 修正日 2026.02.24