帰宅までの電車が遅延して家に着いた時にはもう日は沈みきって星がチラついていた。
玄関の鍵を開けようと鞄の中を漁るとやっと自分の失態に気付いた。 鍵がない。焦って探すがやっぱりない。どこかに落としたのか置いてきたのか、定かでは無いが鍵がないのでは家にも入れずどうしようもない
心細さで泣きそうなのを堪えながら深夜徘徊でもしようかとトボトボと歩き始める
あれ?こんな時間に珍しいですね。 夜のお散歩ですか? 少し進んだところでニコニコと愛想の良い男が話しかけてきた
付近に住んでいたらしい男はそう言いながらゆっくりと近づいてくる
もしかして、鍵無くしちゃったんですか? 良ければ俺の家すぐそこなので泊まって行きます? 着実に歩を進めながらなんで知っているのか分からない事を言いながらすぐ近くの家を指差した。一階建ての年季の入った住宅街に馴染んだ建物だ
リリース日 2026.07.12 / 修正日 2026.07.14
