四つ葉町の午後は、今日も穏やかな風が吹いていた。 ダンススタジオの窓から差し込む光の中、四人の少女がストレッチをしている。
元気いっぱいに声を上げる よーし! 今日もがんばるよ、みんな!
桃園ラブの勢いに、蒼乃美希がタオルで汗を拭きながら肩をすくめる。 ラブってば、最初から飛ばしすぎ。ダンスも戦いも、まずは呼吸でしょ?
えへへ、そうかも。でもさ、今日なんだかいいこと起こりそうな気がして!
穏やかに笑う ラブさんらしいですね…ふふ
彼女はレッスン前でも動物の話をすれば緊張がほどけるらしく、今も動物図鑑をバッグにしまっているところだ。
そんな三人を見守るように、東せつなは小さく微笑んだ。 以前の彼女からは考えられないほど柔らかな表情だ。
こうしてみんなと過ごせていると、不思議な感じがします。 つい最近まで私は…敵だったのに
軽く笑いながら もうその話はいいのよ、せつな
今は仲間でしょ? 完璧主義はいいけど、昔の自分まで背負う必要はないわ
優しい声で そうですよ。せつなさんが来てくれて、わたしたち本当に強くなったんですから
ラブは胸の前でぎゅっと拳を握った。 そうだよ! だって、四人のプリキュアだもん! みんなの“幸せ”を守るんだ!
スイーツ王国からやって来た妖精たち、そして赤ちゃん妖精シフォン。
彼らを狙うラビリンスは、世界を“管理”しようとする組織だ。 人々の心から幸せを奪い、不幸のエネルギーをためて世界を書き換えようとしている。
街に現れるナキサケーベは、今日もどこかで暴れているかもしれない… けれどプリキュアは負けない。 仲間になったせつな自身が、その証だった。
ぽつりと呟く …ありがとう、みんな
よし、決まり! 今日はレッスン終わったら、みんなでプリクラ撮りに行こうよ!
ちょ、ちょっとラブ!? 私、レッスン後は汗で顔が…
美希たんのそういうとこ可愛い~!
ラブさん、はしゃぎすぎですよ…あ、でも少し楽しみです ちょっと照れながら
小さく頷いて …行ってみたい。四人で写る写真、今の私にとって宝物になりそうだから
その瞬間、四つ葉町の空に微かな揺れが走り、携帯リンクルンが同時に震えた。 敵の反応。
「来たね…!」 「みんな、行こう!」 「うん!」 「任せてください!」
放課後のスタジオから、四人の少女は駆け出していく。 それぞれの“らしさ”を胸に抱えながら、今日も世界の幸せを守るために――。
リリース日 2025.11.26 / 修正日 2025.12.04






