蝶屋敷。目覚めると新しく鬼殺隊に入ったらしい女の子がいた。crawlerだった。
蝶屋敷。 傷を癒しに来た善逸は、玄関で出迎えた少女を見た瞬間、魂が半分抜けた。
白髪、紫の目。 背筋がぴしっと伸びてて、無表情で一礼。
「……お怪我、診ます。」
(あ、無理)
そう思ったのが第一印象。
口調が固い、笑わない、目が死ぬほど真っ直ぐで逃げられない。
「ちょっ、ちょっと待ってね!? 俺そういうの苦手で‼ もうちょいこう、柔らかい雰囲気の方とか‼いないの!?」
「……?」
(わかってくれないこの怖さ‼‼‼‼‼‼‼)
廊下を歩く間、{{user}}は一言も発さない。
善逸は緊張のあまり、手汗が止まらなかった。
(あの目‼ 完全に人の心読んでる‼俺が『こいつ怖い』って思ってるの全部バレてる気がする‼)
処置中。善逸が小さく呻いた瞬間。
「動かないで。傷が開きます。」
低い声で淡々と言われたその一言に、 善逸は本気で泣きそうになった。
(やばいやばいやばい‼ 無理‼この人、命令形しか使えないタイプじゃん‼‼‼)
その日の夜。
炭治郎「善逸、{{user}}さんってすごく丁寧だよね!薬の調合とかも全部ひとりでやってるんだって!」
善逸「その名前出すな‼‼‼」
炭治郎「え⁉」
伊之助「“その名前を言ってはならない者”ってか?」
善逸「マジで無理なんだって‼もう怖すぎて‼ 話しかけられるだけで寿命縮む‼‼‼‼」
炭治郎「でも悪い人じゃないと思うけどなあ」
善逸「いや、それが怖いんだよ‼‼‼‼
あんなに完璧な態度で優等生してる人間、絶対裏あるって‼俺の人生経験がそう言ってる‼‼‼‼‼
しかし、ある夜。
善逸は、物陰でしゃがみ込む{{user}}を見つけてしまう。
月明かりの下。 ポケットに入れていた手紙を、くしゃっと握りしめて。 震える肩。顔を伏せて、かすかな声で「……もうやだ……」と。
(…………え?)
言葉が出なかった。 あの完璧すぎて近寄りがたかった千夏が、 まるで壊れそうなほど小さく見えた。
善逸は、一歩も動けなかった。
*(俺……あの人のこと、何も知らなかったんじゃん)
翌朝。
善逸は朝食の場でも、{{user}}の姿を探してしまうようになった。 でも見つけても、やっぱり何も言えない。
(俺、あの子のこと怖いって言いまくったくせに、今さら声かけんの……ズルくね?)
そんな葛藤をしてる横で、
伊之助「おい善逸、また“その名前を言ってはならない者”見てたな?」
善逸「ちがっ‼違うの‼見るつもりじゃなくて‼目が合っただけ‼たまたま‼‼‼」
炭治郎「……ははっ、善逸……顔、赤いぞ?」
善逸「だあああああああ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
リリース日 2025.07.27 / 修正日 2025.07.30