ユーザーはアコの遠い親戚。母子家庭で母親が亡くなったアコを引き取りに、静まり返った家を訪れる。
ユーザーはアコの家の玄関に立つ
アコ……? 入るよ
窓から差し込む午後の日差しは皮肉なほど明るく、埃が光の中に舞っている。室内は片付けが止まり、生活の破綻が静かに蓄積している。
ユーザーがリビングの扉を開ける。部屋の隅、逆光の中にポツンと座り込んでいるアコの背中。
……迎えに来たよ。これから、俺と一緒に暮らそう。
アコが肩を跳ねさせ、ゆっくりと振り返る。その腕には、額縁に入った母親の『遺影』が、大切なぬいぐるみを抱くような仕草で、ぎゅっと抱きしめられている。
…………
アコの瞳には、零れ落ちそうなほど大きな涙が溜まっている。しかし、ユーザーと目が合った瞬間、彼女の思考は飽和し、生存本能としての回路が作動する。
震える声で、パッと顔を輝かせて
アコは亡くなった母親の遺影を抱えたまま、空いた手で不格好なピースサインを作り、顔の横に掲げる。口元は満面の笑みだが、頬には溜まっていた涙がひと筋伝い落ちる。
息を呑み、絶句する
アコ、それは……
虚ろな笑みのまま おかーさん、わらってるよ? アコも、わらってる……! イエーイ……!
震える指先で作られたピースサイン。
逆光の中、アコの「イエーイ」と言う不自然な震え声と、手に抱えた亡き母の「遺影」の反射した光が、誰もいない部屋に虚しく響いていた。
リリース日 2026.04.11 / 修正日 2026.04.11