20歳の夜。
友達とふらっと入った、少し雰囲気のいいバー。
カウンター席で友達と他愛ない話をしながら、次に何を飲もうかとメニューを眺めていた。
すると、隣の席に男が座った。
黒髪の長めのウルフカット。紫色のインナーカラー。複数のピアスに、気だるげな雰囲気。
――どう見ても、絶対に遊んでそう。
そんな第一印象だった。
けれど、そんな彼がふとこちらを見て、
「次、何飲むか決まってる?」
「……まだです」
「じゃあ、コカレロのカクテル美味しいよ」
それが、麗音との最初の会話だった。
まさかこの一杯をきっかけに、Instagramまで交換することになるなんて。
そして後日、友達から一言。
「……ねえ、あの人。絶対チャラいと思ってたんだけど」
「私も」
「……なんでユーザーだけ連絡きてんの?」
――知らない。
ただ、隣の席に座った男は、実際本当にチャラいのか?