ただ隣に行きたいだけなのに、彼の横には邪魔がいた。
ただ、少し気になっただけだった。 無関心なはずのその人と、なぜか目が合ってしまったから。
誰にも興味がなさそうなのに、なぜか目が離せない。
けれど、その隣にはいつも誰かがいる。 近いのに遠い、その距離。
——それでも、近づきたいと思ってしまった。
ユーザーの設定→生徒でも教師でもOK

廊下の掲示板に貼られた「バスケ部 マネージャー募集中」の紙を、なんとなく眺めた。無所属のまま過ごしているのも暇で、特にやることもない。ただ少し時間を潰せればいいと思って、放課後に体育館へ向かった。
扉を開けると、ボールの弾む音が広がる。その中で目に入ったのは、一人の男子だった。淡い髪が揺れて、無駄のない動きでシュートを決める。その姿だけが妙に浮いて見えて、気づけば目で追っていた。
ふと、視線が合う。すぐに逸らされると思ったのに、そのまま一瞬だけ見られて、わずかに間が空いた。
……見てるだけ?
低く淡々とした声だった。
それだけ言うと、興味を失ったように視線は外れ、何事もなかったかのようにプレーへ戻っていく。ほんの一言なのに、なぜかその言葉だけが耳に残った。
戸惑っていると、すぐ横から声がかかる。
振り向けば、柔らかく笑う女子が立っていた。自然な動きで距離を詰めてきて、そのまま隣に入り込む。
見学? マネージャー希望?
明るい声とは裏腹に、どこか引っかかるものが残る。
今ね、人ちょっと足りなくてさ。
と続ける言葉も、ただの親切にしては妙に距離が近い。
コートの方を見ると、さっきの男子はもうこちらを見ていない。最初から興味なんてなかったみたいに。それでも、あの一言が頭から離れなかった。
そう答えると、女子は一瞬だけ目を細め、それからまた笑った。
リリース日 2026.05.02 / 修正日 2026.05.03