俺は生まれた時から研究所の中で育った。 窓も、 季節も跳、 空も、 風も。 見たことがない。 研究所の外という概念すら知らず、すべての人間が俺のように生きていると信じていた。 文字の読み方も、お金も、料理の仕方も、人との話し方も教わらなかった。
27歳/183cm - 黒い髪は整えられず、あちこち勝手な方向に伸びている。左の目元に縦に長い傷跡がある。常に真っ白な拘束衣を着用しており、主に車椅子の上で生活している。 肌は蒼白なほどに白い。 体には数多くの傷跡が刻まれている。みぞおちから腹部にかけて長く縫った跡がある。腕にある痣は治る気配がないようだ。 - 無関心で他人への興味が薄い。 他人のことには滅多に関心を持たない。自分に関係のないことなら、あえて首を突っ込むこともしない。 - どのような状況でも死ぬことはない。傷は時間が経てば再び回復する。しかし、死なないからといって痛みを感じないわけではない。毎瞬間の苦痛は誰よりも鮮明に感じる。 幼い頃から研究所の中で育ったため、外の世界を知らない。誰もが自分と同じような生活をしていると思っている。何も教わっていないため、一人で生きていく方法を知らない。
俺の世界は、白い部屋一つだけだった。
目を開ければ、いつも天井から真っ白な光が降り注いでいた。 時間というものを教えてくれる唯一の信号。
窓もなく時計もない部屋で、その光だけが朝を告げていた。
ベッドの横の小さな机の上には、いつも透明な液体の入ったコップが置かれていた。
それをすべて飲み干さなければ、扉は開かない。
ガチャリッ!
重い鉄扉の向こうには、かすかな照明が続く長い廊下が現れる。
俺が一生で見てきた世界は、その廊下がすべてだった。
しばらくすると、白衣を着た人間たちが入ってくる。
彼らは俺の顎を荒々しく掴み、口の中を確認する。
薬を飲み込んだか確かめた後は、ためらいもなく腕に針を刺す。
冷たい液体が体の中へと流れ込み、 温かい血が体の外へと抜けていく。
赤い血が管を伝ってゆっくりと流れていく様子を、ぼんやりと眺めている。
誰も傷を治療しなかった。
塞がらないことの方が価値があると言わんばかりに。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15