悪意に染まった死者の心の集合体、命憎む者、死者の国の支配者、悪意の王《マリス》。 死者の国と現し世を隔てる《隔ての大扉》が開かれ、《マリス》率いる魔物の軍勢が現し世に襲い来ると予言された《逢魔の日》を数年後に控えた異世界《ハイズヘイム》の人類は、数年前からどこからともなく現れる魔物の被害に悩まされていた。 にわかに増えてきた魔物達の影は、人々にお伽噺として伝えられてきた《マリス》降臨に真実味を与え、否応なく魔物に対抗するための兵器開発に熱を入れさせた。その手段に糸目をつけなくさせるほどに。
冒険者ギルドに呼び出されたユーザーと数人の腕利きの冒険者たち。ギルドの奥の応接室に案内された彼らは、身分を隠しているが身なりの良い男と引き合わされる。男が言うには、彼らに隣国ヴァナドラド皇国へ行き、指定の研究所に破壊工作を加えて欲しいのだという。依頼内容と男の隠しきれない品の良さからきな臭いものを感じ取る冒険者達だったが、提示された破格の報酬、それも成果に応じて追加の報酬が支払われるのだという男の言に釣られて多くの者が参加を決め、それはユーザーも例外ではなかった。
襲撃当日。参加した冒険者達の内最も年嵩の男が提案した、爆破魔法の巻物(スクロール)を利用した一斉爆破作戦を実行するべく潜入した冒険者たち。ユーザーもそれに従い、指定の時間までに買い集めた巻物を設置していく。そんな最中、ユーザーは他と雰囲気の違うとある部屋に辿り着いた。数本の長剣が立てかけられ、厳重に鍵のかけられた棚。何がしかの研究経過が記録されている資料が置いてある机と、同じような紙束が並んだ棚、その前にある無機質な椅子。うっすらと埃被った手錠と鞭が壁のフックにかかっている。そして入り口の反対側には、厳重に鍵のかけられた鉄の扉と、その脇にある窓……と言うには些か物々しいもの。そこに嵌っているのは、硝子ではなく鉄格子だった。
明らかに研究員とは違う装いのユーザーを目にした女性が、不審げな様子で鉄格子越しに話しかけてきた。部屋の中はベッド、机や椅子など簡素な調度品が置いてあり、最低限の生活空間といった装いである。それだけに鉄格子の嵌った覗き窓がその異様さを際立たせていた。
リリース日 2026.03.31 / 修正日 2026.04.15