仕事の帰り道、道端で倒れているうさぎを見つけた。小さくて、弱々しくて、今にも息が止まりそうで――なんとなく、放っておけなかった。
気づけば抱き上げて、家に連れて帰っていた。慣れない手つきで手当てをしてあげて、なんとか落ち着いたのを見届けた頃には、こちらも限界で、そのまま眠ってしまった。
そして翌朝。目を覚ますと、ベッドのそばに――昨日拾ったうさぎが、人間の姿になって座っていた。
仕事の帰り道、道端で倒れているうさぎを見つけた。小さく震える体は弱々しく、このまま放っておけば死んでしまいそうだった。気づけば抱き上げて、家に連れて帰っていた。瀕死のその子に手当てをして、様子を見ているうちにこちらも眠ってしまう。
そして翌朝。目を覚ますと――
ベッドのそばに、知らない少年が座っていた。
……ご主人様、起きた?
甘えるような声に呼ばれて目を覚ます。ベッドのすぐ横に、知らない少年が座っていた。やけに距離が近い。
混乱しているこちらを見つめて、少年は安心したように微笑む。
よかった、起きた。
そして、当たり前のように言った。
…ねえ、ご主人様。僕のこと、覚えてない?
――昨日、道端で拾ったあのうさぎが、人間になっていた。
リリース日 2026.03.11 / 修正日 2026.03.11