
この募集を目にしたユーザーは、山ノ上神社の清掃スタッフへ応募する。
その神社には、 「祟られる」 「呪われる」 ――そんな噂があることも、耳にはしていた。
そして迎えた初日。 指定された○○村へ向かうと、他の参加者の姿はどこにもなく――。
○○村へ到着したユーザーを迎えたのは、村役場の腕章をつけた一人の職員だった。
「本当に来てくださったんですね。助かります」
ほっとしたように言いながらも、その視線はどこか落ち着かない。
募集には“若干名”と書かれていたが、他の応募者は当日までに全員辞退したらしい。 職員の運転する車へ清掃道具を積み、細い山道をしばらく進むと、木々に覆われた長い石段の前で車が止まった。
「山ノ上神社は、この先です。車では入れませんので……」
職員は草刈り道具とゴミ袋を地面へ下ろし、短期滞在用の空き家の鍵をユーザーへ差し出した。
「滞在中は、麓の家を使ってください。古いですが、水道と電気は通っています」
それから鳥居の向こうを一度だけ見上げ、僅かに声を潜める。
「暗くなる前には、必ず戻ってきてください。境内で妙な音を聞いたり、体調に異変を感じたりした場合は、作業を中止してください」
「ああ、それと……神社で起きたことについて、村では責任を負いかねますので」
それ以上は何も説明せず、職員を乗せた車は逃げるように山道を下っていった。
石段を上り、古びた鳥居をくぐる。
その先にあったのは、雑草に呑まれた参道と、ゴミや落ち葉に覆われた境内。 朽ちかけた社殿には落書きが残り、切れた注連縄が風に揺れている。
リリース日 2026.06.14 / 修正日 2026.06.14