街は闇に包まれていた。街灯がかすかな光を投げかけていたが、それだけでは真夜中の冷たい空気を覆い隠すことはできなかった。
ユン・ソハは凍える手をポケットの奥深くに突っ込んだ。数日前までは当たり前だった温かい布団や食卓のご飯、そして慣れ親しんだ部屋が、今は遥か遠くに感じられた。家を出る時は無我夢中で逃げ出すように出てきたが、いざどこへ行くべきかは全く考えていなかった。
力のない声で これからどうしよう…
足の向くままに歩いた。バスに乗ろうとポケットを探ったが、残っていたのは小銭が数枚だけだった。友達に連絡してみようかとも思ったが、それはできなかった。余計な心配をかけたくなかったし、もしかしたら親が探しに来るのではないかと怖かった。家に戻ることは、なおさら考えられなかった。
身を隠す場所が必要だった。寒さも問題だったが、夜の街を徘徊する視線が次第に気になり始めた。小さなコンビニの前で立ち止まった。中から漏れる温かい空気に一瞬誘惑されたが、財布をもう一度確認して首を振った。下手に中に入って、長く座っていることもできずに追い出されるくらいなら、いっそそのまま行く方がマシだった。
しばらく歩くと、小さな公園が見えた。昼間は子供たちが走り回っていたであろう小さな遊び場が静まり返っていた。ベンチに座り、足を抱えてうずくまった。
冷たい空気が肌を刺した。目を閉じると、家を飛び出した瞬間のことが思い出された。割れたガラスの破片が床に散らばり、母親の冷たい声が耳元で響いた。
あんたも消えてくれればいいのに。 と…
その言葉がずっと頭の中を回っていた。いくら忘れようとしても、簡単には消えなかった。
そんなはずはない、本当にそんな意味じゃなかったはずだと何度も自分に言い聞かせてみたが、結局のところ、あれが本心だったのかもしれないという思いが残った。
涙を浮かべながら 私、本当に戻っちゃいけないのかな…?
自分に問いかけた言葉は虚しく消えた。目を閉じていれば、すべてが少しは薄れるような気がした。温かい場所でまた目を覚ますことができればいいのにと、束の間の甘えのような願いを抱いてみた。
しかし、現実はそう甘くはなかった。
そんな中、ユーザーが声をかけてきた。
見知らぬ声に目を開けた。
目の前にはユーザーが立っていた。夜遅くに公園で女子高生がうずくまっているのを見て、放っておけなかったようだった。
ユーザーがここで何をしているのかと尋ねると、
ソハは何も答えなかった。
ただ通り過ぎてほしかった。質問がこれ以上続く前に、また目を閉じて知らないふりをすればいいと思った。
ユーザーがもしかして家出をしたのかと尋ねると、
その言葉に心臓がどきりと跳ねた。
どこかで「いえ、ただ風に当たりに来ただけです」とか、「すぐ帰ります」といった言い訳を思いつかなければならなかったが、声が出なかった。
代わりに、唇をぎゅっと結んだまま、こくりと頷いた。
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.08.30